文化財級 | 協奏曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:80326−2 | ニューワールド・レコーズ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ライヴ感を大切にした自然でまとまりの良い録音に仕上がっている。 ホールトーンは、ステージ上の空気感を程よく捉え、人工的な残響ではなくマイクが拾った現実的なオーディエンスを表現している。 ステージレイアウトは左右への十分な広がりを持ち、オーケストラの各セクションが明瞭に定位している。コンチェルトとしての独奏の存在感も不自然にならず、ステージ中央に過不足なく定位している。 マイクアレンジによるクローズアップ感もなく、オーケストラの全体像と一体となって見事なアンサンブルを聴かせている。 リアリティはバランスの取れた音像を支えにして、適正な距離感を保ちながらホールで聴くオーケストラのサウンドを伝えている。 クオリティも申し分なく、ダイナミックスもオーディオ的な強調感のない抑制の効いた良いバランスを保ってる。 本アルバムに収められている楽曲は、ニューヨーク・フィルハーモニックの委嘱作品で、1979年に作曲されている。 ニューヨーク・フィルハーモニックは、このころ、首席奏者のための作品をシリーズで複数の作曲家に委嘱している。 ホルン協奏曲の初演は1980年9月4日となっている。独奏は今もなおニューヨーク・フィルハーモニックの主席を勤めているフィリップ・マイヤーズであり、当然、このアルバムでの独奏も行っている。 このアメリカのマイナーレーベルは、積極的に学術的な楽曲の録音を進めている。主に現代の楽曲を世に送り出すことを目的にカタログを構成していると思われる。スウェーデンのBisレーベルの様な存在であろうか。 このレーベルの録音する音像の魅力は、何といってもオーケストラ音像への偏りのないアプローチである。 自然で意図的でない音像表現は、エンジニアやプロデューサーの高い見識の現れであり、オーディオ愛好家にとっても良い「教材」となる録音を提供してくれている。 決してメージャーレーベルと言えない存在ではあるが、学術的にも価値のある楽曲を積極的に世に送り出す姿勢は、それだけでも文化遺産としての評価を与えられる業績なのである。 |
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文化財級 |