文化財級 協奏曲
作曲家 ウィリアム・ウォルトン
曲名 チェロ協奏曲
指揮 シャルル・ミュンシュ
演奏 ボストン交響楽団
Cel.グレゴール・ピアティゴルスキー
録音 1957.1.28 ボストン・シンフォニー・ホール
プロデューサー リチャード・モーア Richard Mohr
エンジニア ルイス・レイトン  Lewis Layton
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.2
商品番号:82876 66375 2 RCA  ステレオ SACD
解説
3chによって収録されたステレオ初期の高音質録音である。音響的に優れているボストンのシンフォニー・ホールでのセッションだが、録音は、ホールトーンを積極的に狙ったものではなく、オーケストラのリアリティや各楽器の明瞭さを狙ったもので、一音一音が生き生きと眼前に迫りくるような仕上がりである。
限られたマイクアレンジの中で、オーケストラは実物大の自然なイメージを描いており、丁寧な音のブレンドにより美しいハーモニーと野太く力強いTuttiを聴かせてくれる。多チャンネルによって作られた音像ではないだけに、ステージレイアウトは各楽器を明瞭に定位させ、Tuttiで音像がぶれたり響きが混濁することもない。ダイナミックレンジも申し分なく、充分な帯域を確保している。
1957年の録音ということで、テープノイズが気になるのは否めず、音質の硬さや荒さの原因ともなっている。しかし、その他の要素でのマイナス面はほとんど感じられず、粒立ちとスピード感のある見事な音像表現を成し得ている。
また、ソロのチェロも、ことさらに強調された音像ではなく、伴奏となるオーケストラとのバランスや音質面でのテイストも程よくまとめられている。シンフォニックで重厚なサウンドと伸びやかで透明感のある音場が表現されている。

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