文化財級 | オペラ/合唱曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:455 555−2 | デッカ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
ショルティ・ウィーンPoの「指輪」シリーズの最後の録音である。58年の「ラインの黄金」から7年が経ち、音像表現には相応の変化がある。 ワルキューレに聴かれる録音の指向は、積極的に各楽器と独唱のリアリティを狙ったものである。ステージレイアウトは、ステレオ感はもちろん描かれているが、左右への広がりよりも凝縮された密度を求めた、室内楽的な仕上がりであると言える。 一幕は、フンディングの館でのジークムンドとジークリンデの密室での物語である。オーケストレーションも壮大な大音響を狙ったサウンドではなく、弦楽器を主体とした薄い響きでまとめられている。 そうした空間的な閉塞感を、音響の密度で描こうとした手法である。伴奏であるオーケストラの各楽器は、奏者の息遣いまでも感じるリアリティであり、生々しく線の太いオーケストラサウンドが展開する。独唱も近接的に捉えたリアリティがあり、舞台下から迫り来るようなオペラの響きとは異なるにせよ、曖昧さの一切無い克明な音像表現で、シンフォニックなオーケストラサウンドを聴かせてくれる。 一方、壮大な音絵巻が展開する3幕ではワルキューレのダイナミックなオーケストレーションが炸裂する。大管弦楽の迫力ある音響空間の中にあっても、独唱が埋もれることはなく、耳障りな硬質感もまったくない。オーケストラの全体像がぶれることもなく、見事な分離と克明なステージレイアウトを描いた完成度の高い仕上がりである。 |
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文化財級 |