文化財級 交響曲
作曲家 ウィリアム・シューマン
曲名 交響曲第7番
指揮 ロリン・マゼール
演奏 ピッツバーグ交響楽団
録音 1985.8.11 ヘインツ・ホール
プロデューサー Robert Woods
エンジニア Jack Renner
その他 SchoepsMK−2
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点
商品番号:NW−348−2 ニューワールド・レコーズ  ステレオ 
解説
リアル指向のハイクオリティな録音である。ワンポイント的な自然なオーケストラ・イメージが表現され、各楽器が分離よく定位している。
ホールトーンは無理をせずにマイクが自然に拾ったステージ上の響きを絶妙にブレンドしている。pでの繊細な響きからffでのダイナミックな音圧まで、豊なホールトーンに支えられてオーケストラは整然とまとまりぶれることは無い。
ステージレイアウトは幾分左右への広がりが意識されすぎている感はあるが、それがマイナス要素とはならずに伸びやかなステレオ空間を描くことに貢献している。各楽器、各セクションの音像が曖昧にならず、粒立ち良く定位しているため、オーケストラは生々しく実物大のリアリティで眼前に浮かび上がってくる。また、左右への広がりだけでなく奥行方向への広がりも捉えられているため、ステージ上に配置されたオーケストラの雰囲気が見事に伝わってくる。リスニングルームが一回り広がったかのような錯覚が得られ、心地よい気分に浸ることが出来る。
音像はワンポイント的なまとまりのよさが特徴であるが、収録はマルチマイクで行なわれたと思われる。見事な定位とブレのない音像表現はエンジニアのマイクアレンジに拠って成し得たものであり、それに加えて見通し良く各楽器が浮かび上がってくる手応えには感心する。
ダイナミックレンジは時代相応で強烈なインパクトは無いが、Tuttiでも響きが刺激的にならず伸びやかなffを聴かせてくれるので、迫力に欠けるとは感じないだろう。
文化財級