文化財級 協奏曲
作曲家 アントニオ・ヴィヴァルディ
曲名 協奏曲集「四季」
指揮 ズビン・メータ
演奏 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
Vin.アイザック・スターン.シェロモ・ミンツ
ピンカス・ズーカーマン・イツァーク・パールマン
録音 1982.12..20  フレデリック・マン・オディトリアム
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア クラウス・シャイベ
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.4
商品番号:419214−2 グラモフォン  ステレオ 
解説
ユダヤ人の祭典と言わんばかりの顔ぶれである。このアルバムは、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の創設者である、バイオリニストのブロニスラフ・フーベルマンの生誕100周年を記念してのライヴ・レコーディングである。常任であるメータの率いるイスラエルPoをバックに、ユダヤ系のバイオリニストたちが順番にステージに立つという豪華な内容である。
中でも、CBSの専属であったアイザック・スターンが招かれていることが特筆である。20世紀の後半を飾った名バイオリニストだが、録音(音質面で)には恵まれていない。このグラモフォンで聴くスターンのバイオリンは何とも美しくしなやかである。高音域まで艶やかに伸びる音色は、巨匠の到達した至上の世界であると言える。
また、入れ替わりに聴くことのできるソリストたちも、それぞれの個性が見事に捉えられ、聴き比べの醍醐味も味わうことができる。
録音は、バランスの取れた自然体の音像表現である。小編成のオーケストラにソロ・バイオリンが華やかな音空間を広げていく。無理なく捉えられたオーケストラは、ステージ上に余裕を持ってレイアウトされ、各楽器の定位感も問題ない。ソロが際立って強調されることはないが、それでもピンポイントで明確に定位している。大きなffの無い曲だけに、少々近接したマイクアレンジになっているが、音像が大きすぎることも無く、ダイナミックレンジに不足感も無い。
全体には平均値を捉えた内容と言えるが、アルバムの歴史的価値を含めて、一度は聴いておきたい録音である。
文化財級