文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:5739242 | EMI ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
アビーロード・スタジオを使用した明瞭でまとまりのよい録音である。各楽器は曖昧にならず粒立ちよく捉えられ、スタジオセッションの優位性を感じさせてくれる。 ステージレイアウトはスタジオのゆとりのある空間を生かした、左右の広がりと奥行を狙った見通しの良い配置となっており、各楽器の定位も申し分ない。 ホールトーンは、客席にまで広がるような残響は望めないものの、巨大なアビーロードの空間規模を生かした雄大な音像表現に仕上がっている。若干ドライな印象も受けるが、各楽器の響きは伸びやかなに放射状に広がっている。反面、金管楽器の定位が少々広がりすぎていると感じるが、音像が過剰に大きくなることも無く、適度なオーケストラ・イメージを聴き取ることができる。 スタジオセッションらしく、自由なマイクアレンジに拠って、各楽器を的確にそして明瞭に捉えることに成功している。マルチマイクの良さも生かされていて、音像の分離も良く、粒立ちの良いアンサンブルが聴こえてくる。 曖昧にならずにスピード感のある音像は、生々しく迫り来る手ごたえがある。 リアリティも充分であり、実物大のオーケストラが生き生きと再現されている。 それにしても、この曲の現代的で暴力的な響きは何なのだろうか。20世紀の前半が戦争による暴力の時代であったとするならば、この曲はまさにそうした時代を反映したものであると言える。VWは知名度こそあれ、楽曲が頻度よく演奏されることは無い。特に交響曲は9曲もの大作が揃っているにもかかわらず、CDで入手するにも選択肢が極めて少ない。 このボールトの全集は、録音に関しても演奏に関しても、VWの魅力を楽しむに充分な内容であり、その後の幾つかの録音と比べても、まず第一に挙げられる名盤であると評価できる。 |
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文化財級 |