文化財級 管弦楽曲
作曲家 エレン・ターフェ・ツウィリッヒ
曲名 シンボロン  ほか
指揮 ズビン・メータ
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1988.12.12 マンハッタン・センター
プロデューサー エリザベス・オストロウ Erizabeth Ostrow
エンジニア ジョン・ニュートン John Newton
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点
商品番号:NW372−2 ニューワールド・レコーズ  ステレオ 
解説
1939年にマイアミに生まれた女流作家、ターフェ・ツウィリッヒ(Zwilich)の管弦楽曲を集めたアルバムである。室内楽的なアンサンブル曲から大管弦楽曲まで、その幅は広い。録音も、オーケストラの編成に応じてアプローチを変えて挑んでいる。
マンハッタン・センターの空間規模をうまく捉えた録音で、大編成オーケストラの全体像を実物大のイメージで表現することに成功している。オーケストラは左右へ大きく広がりを持たせ、低域に深みのある伸びやかなダイナミックレンジが確保されている。音の粒立ちも良く、各楽器、あるいは各セクションが明瞭に捉えられている。またステージレイアウトも自然でワンポイント的なまとめ方になっていて、客席から見るオーケストラが描かれている。また、ステレオ的な左右への定位感だけでなく、前後関係を感じさせる奥行感も素晴らしい。
小編成の楽曲では、奏者を近接的に捉えているためにより生々しいリアリティを感じることができる。奏者の呼吸や気配と言ったものが、透き通るような空気感の中から詳らかに聴こえてくる。
トランペット協奏曲は6人の奏者による室内楽だが、独奏のフィリップ・スミスの華やかなトランペットはもとより、伴奏の各楽器も手に取るような間隔で眼前に広がっている。
人の気配や会場の空気感を大切にし、じっくりと進められたスタジオ・セッションの成果が現れている録音である。
文化財級