世界遺産級 | 管弦楽曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:CD-1225 | BIS ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
上質な絹の肌ざわりを思わせる、繊細で透明感のある音像表現である。至上のオーケストラサウンドを聴くことができる。このレーベルの一貫した音づくりでもあり、ワンポイント的なマイクアレンジによって自然で強調感のない音像に仕上がっている。音像がやや遠いため、一聴すると迫力や生々しさに欠けると感じるかもしれないが、それがこのレーベルを楽しむ醍醐味でもあり、クオリティの高いオーディオでじっくり聴きこむことで、情報量の豊かさに驚くことだろう。レコーディング時のモニターにスピーカーではなくスタックスやゼンハイザーのヘッドホンを使用していることも、こうしたしなやかな音像表現に仕上がる要因となっているのかもしれない。ハイパワーのアンプでスピーカーをダイナミックに鳴らすよりも、むしろヘッドホンでゆったりと包まれながら音楽に浸る聴き方が向いているのだろう。 ホールトーンは申し分ない。豊かに広がるオーケストラが心地よく響きわたり、伸びやかな音の残像がすうっと消入る様子も聴き取れる。このホールトーンは、観客のいるライヴではとうてい捉えることの出来ない、静寂によって得られたものである。ffでのダイナミックなサウンドよりも、mpでのささやくような音のニュアンスを聴き取ってもらいたい。 ステージレイアウトは、自然体そのものであり、エンジニアの手による意図的な定位感はない。客席からステージを望む実態のあるオーケストライメージなのである。各セクションを継ぐ空気感も十分であり、音像が有機的に結びついているのが分かる。 一方、リアリティにおいては、オーディオの再生能力に影響され、眼前に迫りくる生々しさが感じられないために物足りなさを抱くかもしれない。しかし、こうした自然な音の実存感こそが本当のリアリティなのだろう。 音質やダイナミックレンジは時代の最先端を行くハイスペックな内容であり、デジタルフォーマットの良い点を感じさせる。 ライヴ・レコーディングでは決して捉えられないホール一杯に満たすオーケストラの豊かな響き、そして繊細で透き通るような音の一つ一つを味わってほしい。 |
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世界遺産級 |