文化財級 協奏曲
作曲家 ジャン・シベリウス
曲名 ヴァイオリン協奏曲
指揮 レイフ・セーゲルスタム
演奏 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
Vin.ペッカ・クーシスト
録音 1996.1 ヘルシンキ・フィンランディアホール
プロデューサー セッポ・シラーラ Seppo Siirala
エンジニア エンノ・ミーメッツ Enno Mäemets
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.6
商品番号:ODE878−2 オンディーヌ  ステレオ 
解説
トータルバランスに優れた録音である。ホールトーンはオーケストラの音像を豊に引き出し、ソロ・ヴァイオリンを含め各楽器が美しく伸びやかに鳴り響いている。ダイナミックレンジもゆとりのある広がりを確保し、ppからffまでストレスなく捉えられている。低音域の腰のある豊な音像に支えられて、ソロ・ヴァイオリンは高音域まで音圧的な抑制や音質のブレを感じることなく仕上がっている。
唯一、各楽器の実存感が平均的になってしまっており、生々しい音像であるとは言いがたい。美しく迫力のあるオーケストラサウンドではあるが、空気感と言った人間の息遣いが薄く、それが全体の評価を下げることになったのは惜しまれる。
このCDは97年のフィンランド・ゴールド・ディスクに選ばれたものである。92年にカール・ニールセン国際コンクールで第3位に入賞したクーシストは、95年にはシベリウス国際ヴァイオリンコンクールで第1位となっている。セーゲルスタムのほか、ベルグルンドやヴァンスカなどとも共演を重ね、日本では、99年にヴァンスカ・ラハティ響とシベリウスの熱演を披露している。
文化財級