文化財級 管弦楽曲
作曲家 ジャン・シベリウス
曲名 交響詩「大気の精」/交響詩「ポヒョラの娘」
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
ソプラノ:フィリス・カーティン
録音 1965.10.19/1964.5.1
フィルハーモニー・ホール/マンハッタン・センター
プロデューサー トーマス・Z・シェパード/ジョン・マックルーア
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.2
商品番号:SM2K 47619 ソニー(CBS) ステレオ 
解説
2曲とも同等の評価であるので一括して解説する。録音年代が1年違い、また収録したホールも違うため、音の質感などは差があるが、音像表現はどちらも明瞭で解像度の高い仕上がりである。
マルチマイクを充分に生かし、各楽器の音像は曖昧なところがなく、見通しの良いステージレイアウトが描けている。ホールトーンは豊かに響いているとは言いがたいが、楽器それぞれが持つステージ上の響きが確保されているため窮屈さはなく、オーケストラは広々とした空間表現のなかで適正に定位する。
「大気の精」(ルオンノタル)は、曲の冒頭、ミュートを付けた弦楽器の漣に乗ってソプラノが歌われるが、この声の透明感のあるリアリティが素晴らしく、オーケストラも遠慮のない迫力あるTuttiを聴かせている。デッカが手がけた「指輪」とまでは行かないものの、このクオリティはなかなか得がたいものである。
「ポヒョラの娘」も冒頭のチェロの独奏が、肉感のある生々しさでオーケストライメージの中で定位する。
2曲ともこの時代に求められる最高品質の仕上がりで満足度の高い録音である。
文化財級