文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:WWCC−7284 | ライヴノーツ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
よくできたライヴ録音である。セッションとして継ぎはぎされたものではなく、コンサートの実況録音であるため、客席やホール全体の空気感を嫌わず、あるがままに捉えた生々しい雰囲気が充分に伝わってくる。ライヴセッションであればこうした気配を削除してしまい、空気感の伝わらない表面的な音像表現に陥ってしまうのである。 実況録音というと、音質よりも記録としての価値を重要視しがちであるが、この録音から聴き取れるものは、じっくりと調整された完成度の高いオーケストラサウンドであり、各楽器が克明に、そしてクオリティの高い音質で捉えられている。 ホールトーンは空間を広々と捉えたものではないが、オーケストラの持っている残響成分を効果的に含んだ響きの豊な音像表現となっている。ステージレイアウトも適正で、客席から距離を置いて各楽器を望むような、見通しと定位に優れた仕上がりである。 ただ、ライヴの記録性を重んじるがためだろうか、安全圏を狙いすぎたためにダイナミックレンジは伸びがなく、すぐに頭打ちとなってしまう。いわゆる機械による自動調整でffが抑制されてしまうのである。反面ppは際立って明瞭に捉えているため、奏者の息遣いまでもが生き生きと伝わってくる。こうしたアンバランスが、このレーベルの技術的な弱さなのかもしれない。 |
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文化財級 |