文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:SMK 47611 | ソニー(CBS) ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
スタジオやホテルでの録音が主流であったコロンビアが、1960年の初頭からニューヨークPoでの録音にマンハッタン・センターを使うようになった。いわゆる床面にオーケストラを配置しての、豊かな空間表現を狙ったセッションである。ここで聴かれるホールトーンは、広々とした本物の空気感を捉えている。 一方、弦と管のバランスにステレオ初期に見られるアザトさがあり、1楽章でそうした誇張したオーケストライメージがある。ステージに近い客席からオーケストラを見渡すような印象で、弦楽器の存在感に対し、金管セクションはやや後方に距離を置いて定位している。しかし、全体的には良好なバランスにまとめられていて、手探りでステレオ表現を構築していたエンジニアたちの苦労が伺える。 音のカサツキや高域の硬さなど音質の古さは否めないものの、ダイナミックレンジは十分に確保され、豊かな響きに包まれた余裕のあるffを聴くことができる。音の一つ一つにも残響成分が含まれていて、このようにホール全体の空気感を削除せずに残すことで、より生々しいオーケストラサウンドが表現できるのである。 この時代とデジタル時代の明らかな違いは、同じようにマルチ録音を行なっても、当時はこうした空気感をあるがままに残していることにある。ライヴセッションが当たり前になった現代では、この一番大事な要素を失ってしまっているのである。 この録音は、バーンスタインがニューヨークPoと短期間に行なった全集録音の一つである。データを紹介すると、2番と4番が1960年10月10日、3番が10月17日である。最終日の1番が最も仕上がりが良く、高い評価を与えることになった。他の3曲もセッションのコンセプトは同じであるが、若干の違いは当然あり、またテープの保存状態にも拠るのだろうが、音質にもそれぞれ違いがある。1番に次いで良かったのが3番で、2番と4番では、オーケストラの左右への広がりが幾分狭くなり、その分奥行感が増している。しかし音の硬さやダイナミックレンジの狭さなどのマイナス要素も多い。 |
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文化財級 |