愛蔵盤級 | オペラ/合唱曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:SB2K89902 | ソニー ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
語り手とソプラノ、メゾ・ソプラノ、テノールなとの5人の独唱と3組の合唱による巨大管弦楽曲である。まだ若い26歳の作品で、1900年から1年ほどで作曲されたがオーケストレーションに10年を要したという。無調派の先駆者的な存在のシェーンベルグであるが、この曲には、ワーグナーや、それ以前の後期ロマン派の雰囲気を色濃く残している。 大管弦楽曲の雄大でダイナミックなサウンドと、意外なほどの美しく牧歌的なメロディに、誰もが心惹かれる魅力がある。マーラーやリヒャルト・シュトラウスの響きも見え隠れする。 デンマークの作家、イェンス・ペーター・ヤコブセンの詩集「サボテンの花開く」を基にしている。 録音は、この大管弦楽曲を、欲張らないほどほどのダイナミックスで捉え、聴衆からステージまでの距離を感る客観的な音像表現に仕上がっている。コンサートホールの大空間にオーケストラ音像が伸びやかに広がっていく。 この曲の多くの部分が、室内楽的で穏やかなオーケストレーションのため、録音のレベルが低く感じてしまうが、ffを迎えたときに窮屈感や音像のブレが生じないので、音楽の自然な流れを確保することができている。 ソニーレーベルのデジタル時代の傾向でもあるが、オーディオの環境によっては少々物足りなさを感じるかもしれない。それでも、Tuttiでのffを迎えるような盛り上がりの場面では、オーケストラは重心の低い骨太の響きを存分に放射する。重量感たっぷりのダイナミックレンジを聴かせており、迫力に欠けることはない。 また、オーケストラと独唱のバランスも問題なく、各セクションやパートの音のつながりやアンサンブルの受け渡しもスムーズに捉えられている。 残念ながら、ライナーノーツにはレコーディングに関する詳細なデータが記載されていないので、このアルバムのセールスにオーディオ愛好家は意識されていないようである。事実、この録音が優秀録音として紹介されることはまったくない。しかし、中庸を行く平均的な内容であるとはいえ、オーケストラの優秀な機能面を十分に捉えた、印象の良い録音であることは間違いないのである。 それにしても、この曲の美しさは素晴らしい。正直、著者もこの曲は食わず嫌いであった。もう何十年もクラシックのあらゆる曲を聴き込んできたのに、「グレの歌」への触手はまったく向かなかった。久しぶりに、新しい曲に出会った感動を得ることができた。 |
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愛蔵盤級 |