世界遺産級 協奏曲
作曲家 ネッド・ロレム
曲名 ヴァイオリン協奏曲
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
独奏 Vin.ギドン・クレーメル
録音 1988.11 エイブリー・フィッシャー・ホール
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア ハンス・ペーター・シュヴァイクマン
その他 Live
評価項目 評価内容
ホールトーン 9
ステージレイアウト 9
リアリティ 9
クオリティ 9
ダイナミックス 10
平均点 9.2
商品番号:429 231−2 グラモフォン  ステレオ 
解説
ライヴの気配を大切に残した、聴き応えのある優秀録音である。音の粒立ちも鋭く、ダイナミックに骨太のTuttiが響き渡る。
ホールトーンは、ホールの残響を充分に捉え、会場の雰囲気を伝えている。客席の気配を削除しなかったことが功を奏し、生々しいライヴ感を演出している。
ステージレイアウトはオーケストラがステージ上に適正に広がり、ステレオ感のある音像に仕上がっている。各楽器の配置や定位も申し分なく、いく分音像が小振りではあるものの、見通しよく明確に浮かび上がってくる。
リアリティも、音の一つ一つが曖昧にならず眼前に迫りくる生々しさがあり、良好な定位感を支えにしてオーケストラの各楽器が有るべきところから聴こえてくる。音質面とダイナミックレンジはデジタルフォーマットのクオリティを問題なく確保しており、最新録音としての優位性を見せつけてくる。
独奏のヴァイオリンは、オーケストラの真ん中に定位し、オーソドックスな協奏曲的な音像表現となっている。やや大きめに捉えられたクローズアップ感は、オーディオで聴くのにちょうど良いバランスであるが、実際のステージではこのようなバランスでは聴こえないだろう。それでも、違和感を抱くほどのマイナス要素とはなってない。
マルチマイク、ライヴセッションという、グラモフォン・レーベルの推し進めてきたこの手法は、客席の気配といった空気感をノイズとして削除してしまった為、音はクリアでも奏者の実態がなく、音楽の生き生きとした熱気が伝わらないものが多い。バーンスタインのほとんどのシリーズがそうしたことが原因で、演奏の評価に比べて録音面での評価を得たものが少ない。それでも、最晩年の録音では、ライヴらしい空気感が残されたものがいくつかあり、この録音もその一つである。イスラエル・フィルとの録音では、おそらくこの録音が最高レベルの仕上がりだろう。
雰囲気に流されることのない、記録としてのライヴ録音の本質を捉えた、最高品質の録音であると評価したい。

世界遺産級