愛蔵盤級 交響曲
作曲家 リヒャルト・シュトラウス
曲名 交響曲ヘ短調
指揮 若杉 弘
演奏 東京都交響楽団
録音 1993.7.29
東京芸術劇場
プロデューサー 岡野博行
エンジニア 後藤 博
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 7.8
商品番号:COCO−75860 デンオン ステレオ
解説
ワンポイント録音で世界に打って出たデンオンの、特徴的なサウンドを聴くことができる。
世界に先駆けてデジタル録音の技術を確立したメーカーでもあり、測定用マイクの分解能の高さに注目しステージ上のオーケストラをあるがままに捉えようとした試みは評価できる。
同じワンポイント録音を標榜するテラークなど比べると、デンオンのサウンドは線が細く、一方で繊細さで勝っていると言える。ダイナミックレンジは過度に広げられたものではないが、オーケストラがffに達するまでのクレッシェンドの過程が、機械的に聴こえることもなく、自然である。
エンジニアのマイクセッティングがこうしたワンポイント録音の要となるが、デジタル時代にあっては、この手法が主流になっていている。デンオンには一時期の注目度はもうなくなっているが、モーツァルトなどの小編成の曲でその良さが発揮されている。
この曲は、シュトラウスの19歳の時のものであり、彼にとっての2曲目の交響曲である。この若書きの2曲の交響曲はあまり聴く機会がないが、後の交響詩へと草熟していくシュトラウスの手法が随所に見られる。冒頭の動機などは晩年のアルプス交響曲に酷似している。音質面でも演奏面でも、日本から世界に発信できる高い水準を成し得ている。

愛蔵盤級