愛蔵盤級 管弦楽曲
作曲家 オットリーノ・レスピーギ
曲名 交響詩「ローマの松」 ほか
指揮 高関 健
演奏 早稲田大学交響楽団
録音 1986.2.23 ベルリン・フィルハーモニー
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア ハンス・ペーター・シュヴァイクマン
その他 Live
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 7.4
商品番号:F33G 20015 グラモフォン  ステレオ
解説
早稲田大学交響楽団のヨーロッパ演奏旅行の貴重な録音である。武満の「星・島」やチャイコフスキーの「ロメジュリ」がカップリングされている。グラモフォンからの正規リリースで行なわれたセッションは、ライヴとは言え、バーンスタインやカラヤンが積み重ねてきた手堅く安定した音像表現に仕上げられている。リハーサル音源の切り貼りがどの程度行なわれているかは判らないが、演奏の瑕疵を補正するほどの編集痕は聴き取ることはできない。このレーベルの一般的なサウンドに倣い、この録音も客席の気配は皆無と言えるほどに削除され、ホールトーンはほとんど感じられない。ただ、フィルハーモニーの空間的な広さは生かされており、オーケストラの響きは収束せずに伸びやかに広がっている。
マルチマイクによって各楽器は適度にピックアップされ、全体の音像は自然で過不足のないものにまとめられている。しかし、金管楽器がまったく存在感がなく、不明瞭で物足りない内容である。フル編成のダイナミックな楽曲をラインナップしているだけに、この配慮のなさは残念である。
録音はそこそこの内容であり、大きな評価を与えられるものではないが、演奏は驚異的なレベルに達している。学生オーケストラを経験したものであれば、早稲田オケの存在は誰もが認めているが、この演奏を聴けば、ヨーロッパの人々が賛辞を贈ったということが社交辞令ではなかったのだと確認できる。
当時、このメジャーレーベルのレコーディングに立ち会った早稲田の面々に、ぜひ、どのようなセッションであったかを聞いてみたいと願っている。
愛蔵盤級