愛蔵盤級 サウンドトラック
作曲家 ジョン・コリリアーノ
曲名 レッド・ヴァイオリン
指揮 エサ=ペッカ・サロネン
演奏 フィルハーモニア管弦楽団
Vin.ジョシュア・ベル
録音 1998.1.4  アビーロード・スタジオ
プロデューサー Matthias Gohl
エンジニア Joel Iwtaki
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.6
商品番号:SRCR 2374 ソニー  ステレオ 
解説
上質なクラシックアルバムとして、楽曲と演奏の双方を楽しむことができる。数奇な運命を辿るレッド・ヴァイオリンの4世紀にも亘るエピソードを綴った映画のサウンドトラックである。現代アメリカを代表する作曲家、ジョン・コリリアーノの静謐で物悲しいメロディがこの映画を終始陰鬱な世界に引き込んでいく。
アビーロード・スタジオで録音された楽曲は、ジョシュア・ベルのソロ・ヴァイオリンを中心にした、控え目ながらも粒立ちの良い明瞭な音像を捉えており、高域成分が伸びやかに響く高品質な録音に仕上がっている。純粋なクラシック録音としても評価できる内容である。
またアルバムには、映画に先駆けて作曲されたコンサート用の楽曲「シャコンヌ」が収録されている。この曲は、コリリアーノがレッド・ヴァイオリンのスコアを書き上げる前に、その素材を用いて作曲した17分にも及ぶダイナミックな協奏曲である。骨太で肉厚なスコアは、コリリアーノの現代的な鋭さと悲哀に満ちた独自の世界観を啓示している。映画では終始控え目であったサウンドは、このシャコンヌではエネルギーの放出が顕著に見られ、情念といった内面から沸き起こる原始的な感情表現が露になっている。オーケストラは最大級のTuttiで壮大なクライマックスを築いていく。
録音は、そうした複雑で多彩なフルスコアを余すところ無く捉え、見事なオーケストラサウンドを表現している。
愛蔵盤級