世界遺産級 オペラ/合唱曲
作曲家 ジャコモ・プッチーニ
曲名 歌劇「ラ・ボエーム」
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
ミミ:アンジェリナ・レオー
ロドルフォ:ジェリー・ハドレイ
録音 1987.6  聖チェチーリア音楽院
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア クラウス・シャイベ
その他 Live
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ 10
ダイナミックス 10
平均点 9.4
商品番号:423601−2 グラモフォン  ステレオ 
解説
Live録音であると記載されているが、試聴する限りライヴセッションのリスクは全く感じない。スタジオセッションであるがごとく、豊なホールトーンと各楽器の実存感が見事に捉えられている。録音は、デジタルフォーマットを充分に生かした最高品位の仕上がりとなっている。
マルチマイクで、独唱の一人一人の声からオーケストラの各パートに至るまで、曖昧にならず克明に録音されており、広々としたダイナミックレンジと懐の深い豊な空間表現を描いている。オーケストラは登場人物の伴奏としてではなく、物語の世界観そのものを雄弁に語っている。そして独唱者もオーケストラの中で自然に溶け込み、音像がピックアップされて際立たされることもなく、アンサンブルの繋がりも良好である。
ステージレイアウトに優れたオーケストラは立体的で、各楽器のリアリティも高く、各楽器と独唱者の定位も的確である。音質も透明感と腰のある伸びやかな仕上がりで、プッチーニの甘く美しい調べによく合っている。物語の終末、命の火の消えるミミとその愛を受け止めるロドルフォの二重唱は、至上の美しさと言える。たっぷりと謳うバーンスタインとチェチーリア管弦楽団のサポートを得て、およそライブとは思えない透明感のある録音によって、最高に美しい「ボエーム」が誕生した。
ただ、独唱にバーンスタインが期待を寄せた若手が起用されているため、オペラファンからの支持は得られなかったようだ。
世界遺産級