文化財級 管弦楽曲
作曲家 グスタフ・ホルスト
曲名 組曲「惑星」
指揮 ウィリアム・スタインバーグ
演奏 ボストン交響楽団
録音 1970.10 ボストン・シンフォニー・ホール
プロデューサー ライナー・ブロック
エンジニア ギュンター・ヘルマンス
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 7.8
商品番号:463 627−2 グラモフォン ステレオ 
解説
録音について語る前に、どうしても演奏について触れておかねばならない。組曲であるから、当然1曲目から聴くことになるのだが、「火星・戦争の神」は、これほど暴力的で攻撃的な演奏を聴いたことがない。そして録音もそれに共感したかのように激しく唸りをあげている。音の一つ一つが刺すように痛い。ダイナミックレンジはアナログの限界まで広げられ、響きを整えるための機械的な処理は見られない。オケが鳴りすぎて飽和しているところも散見されるが、録音技術の問題ではなく、おそらくホールそのものがこういう状態だったのだろうと納得させられる。それほど、この演奏は激しいのである。
70年代は、宇宙映画と宇宙的音楽が開花した時代だ。「2001年宇宙の旅」によって宇宙時代が幕開けしたとすれば、「スターウォーズ」がその後のオーケストラサウンドを方向付けたと言ってよい。その「2001年」と「スターウォーズ」の間に挟まれたこの録音は、そうした宇宙音楽誕生のきっかけになったに違いない。あのダースベーダー・マーチは「火星」に良く似ているが、この演奏こそが、ジョン・ウィリアムズにインスピレーションを与えたのではないかと思えるのである。
文化財級