愛蔵盤級 管弦楽曲
作曲家 モデスト・ペトロヴィッチ・ムソルグスキー
曲名 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)
指揮 ジェイムズ・レヴァイン
演奏 メトロポリタン歌劇場管弦楽団(MET)
録音 1992.5 マンハッタン・センター
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア グレゴール・ツィーリンスキー
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス 10
平均点 8.2
商品番号:437531−2 グラモフォン ステレオ
解説
ダイナミックレンジだけを売りにしたような、バランス感覚の鈍い録音である。オーディオソースとして楽しめる材料はたくさん詰まっているが、後世に伝え残すべき記録としてはアザトイ仕上がりである。
華やかなオーケストレーションで描かれるこの曲には、多彩な楽器、特に金管・打楽器(鍵盤楽器)に聴かせどころが多い。この録音は、そうした聴かせどころをこれ見よがしに強調していて、打楽器の打音や床を這うような重低音は、オーケストラ全体からすれば過剰な演出である。
各楽器も明瞭に捉えられてはいるが、各々のつながりが不自然で実存感にも欠ける。
演奏は、豪快で豪放。しかし激情型ではない。METの演奏能力の高さを見せつけたいがためのデモンストレーションだと言えよう。そうした意味からすれば、オーディオソースとして、これほど使い安い録音は他にはないのかもしれない。同録されている「春の祭典」もコンセプトは同じである。ただ、曲想的に「ハルサイ」の方がこの録音には合っているようだ。
愛蔵盤級