文化財級 管弦楽曲
作曲家 モデスト・ペトロヴィッチ・ムソルグスキー
曲名 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)
指揮 ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1966.3 ベルリン・イエス・キリスト教会
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア ギュンター・ヘルマンス
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.2
商品番号:447426−2 グラモフォン ステレオ 
解説
ベルリン・イエス・キリスト教会での録音である。適度に響くホールトーンを得て、オーケストラは実存感のある豊な音像表現を描いている。オーケストラのTuttiで響きが飽和状態に陥るが、それだけの音量がオーケストラから放出されていたということでもあり、こうした音響処理も、会場のリアリティを伝える正しい選択だと理解できる。
コンサートホールやスタジオではオーケストラの後方には空間がないが、この録音から聴こえる音像の中には、後方へ向かって消え行くような広がりさえも感じることができる。グラモフォンのエンジニアたちは、この教会での録音で、残響を得るためにスピーカーからも音を出していたというエピソードがあるが、そうした試みも、エンジニアたちの挑戦の歴史として受け入れるべきなのである。
曲の冒頭、トランペットのソロは、決して華麗な演奏ではない。ドイツ式のトランペットを使った吹きにくそうな演奏が聴こえてくる。言い方を変えれば渋い演奏である。奏者のアンブッシュアの動きまでも感じられるのである。
文化財級