愛蔵盤級 | サウンドトラック | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:PICE−4020 | パイオニア ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
最新のCGを駆使してコンピュータ世界の仮想現実を描いたヒット映画である。その映像の斬新さと物語の奇抜さから、音楽もデジタルで機械的なプログラムによって作られたものに思われがちだが、まったくの誤解であり、極めてシンフォニックなオーケストラ・スコアによって作曲されている。むしろ、シンセサイザーの様な造られた音はほとんどない。 コンピュータによって支配された仮想の世界を、最大級のオーケストラで表現したのは、オーケストレーターで名を知られていたドン・デイヴィスである。デイヴィスは、仮想世界をさまよう人間たちの輪廻の様子を、ジョン・アダムスなどに聴く1980年代のミニマル音楽や、20世紀初頭のストラヴィンスキーの「春の祭典」などに聴く、大編成オーケストラによる調性の崩壊や原始的なリズムによる命の萌芽に重ね合わせている。スチーム・ドラムや中国の打楽器なども使われていて、楽曲の最後にはブルックナーのモチーフまでもが聴こえてくる。 コンピュータの世界観に、純粋の生身の人間が奏でるオーケストラのサウンドを充て、見事に調和させてしまっているところに、デイヴィスの職人的な感の良さを窺い知ることができる。また、その複雑なスコアにも関わらず、難なく吹ききってしまうスタジオミュージシャンたちの腕前にも感心する。 録音は、スタジオらしい明瞭でスピード感のある音作りで、各楽器は適正な定位と見通しのよい分離で捉えられている。また、映画の恐怖感を煽る金属質な打楽器の音が、効果音的に際立って捉えられている。しかし、全体の音像バランスはとても自然な仕上がりとなっていて、このバランスであれば、交響曲を録音しても違和感のない音像表現であると言える。 |
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愛蔵盤級 |