文化財級 | 管弦楽曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:429 260−2 | グラモフォン ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
「ウィーン・モデルン」は、20世紀後半の現代音楽を代表する作家の作品を集めたアルバムである。リゲティやリーム、ブーレーズなどの代表作を、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会でライヴ収録している。通常のオーケストラ編成に加え、合唱やピアノ、各種打楽器を多用した楽曲であり、時に暴力的であり、時に刹那的である。pppからfffまで、オーケストラの限界に挑戦するかのような鮮烈なサウンドを打ち出している。これだけの前衛音楽を集めた演奏会のため、レコーディングも編集を前提としたセッションではなく、極力ライヴの本テイクを使用してまとめられたものであると思われる。音の一つ一つに実験的な意味を持たせた作品でもあり、音像は生々しく一点の曇りもない透明感がある。 このアルバムの奇想天外な楽曲を、エンジニアは見事なミキシングで調和させ、内部を見通せる充分なリアリティを捉えている。静謐と暴発を繰り返しながら、オーケストラは最大級のTuttiでリスナーを圧倒させることになるだろう。 ムジーク・フェラインザールのステージを埋め尽くしたオーケストラメンバーたちは、ステレオフォーマットの限界の中で、左右への広がりと奥行を捉えながら適度な密度を保って音像を構築している。ステージレイアウトは、各楽器、各奏者がひしめき合いながら定位し、各々の存在を明瞭に示している。ホールトーンは会場の空間を広々と捉えたものではないが、余分な残響を排除しながらもステージ上の音場を豊な響きで満たしている。 リアリティも申し分なく、各楽器が眼前に迫り来るようなクローズアップ感はないものの、空気感までも伝える自然体のオーケストラが生々しく示されている。 クオリティやダイナミックレンジは、デジタルフォーマットの中で最高レベルに達しており、オーディオの限界を試されるかのような挑発的な内容である。スピーカーが悲鳴を上げながら、会場の音を余すところなく再現してくれるだろう。 リゲティのアトモスフェールは、「2001年宇宙の旅」で使用され、「ツァラトゥストラ」と共にメジャーな存在となった。ただ、「ツァラ」が映画の壮大な宇宙観を見事にサポートする存在だったのに対し、「アトモスフェール」は謎の知的構造物の存在を恐怖心と共に煽る効果に使われた。そのため、この曲の持つ前衛的な楽想が、クラシックに縁の薄い人たちにとっては、単なるサウンドトラックの効果音として聞き捨てられたしまったようである。曲は、独立に分割された56の弦楽器と36の管楽器によって複雑で混沌とした調性のせめぎ合いが展開する。「旋律・リズム・和声は抑圧され、音色とディナーミクが音楽形式の主な担い手である」とは、リゲティ自身の言葉である。 |
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文化財級 |