文化財級 | 管弦楽曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:410 145−2 | デッカ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
ウィーン・ゾフィエンザールでのデッカ定石のデフォルト・サウンドである。近接的にクローズアップされた各楽器によってオーケストラの細部まで赤裸々に描き出している。妥協も曖昧さもない、エンジニアの強靭な主張を感じさせる録音である。こうした、エンジニアやプロデューサー、あるいはレーベルが示す攻めの姿勢は、いつのころからか見られなくなってしまった。録音は、この曲の持つ粗野で荒っぽい性格をダイナミックなサウンドで演出している。 ホールトーンはほとんど無いと言ってよいが、ゾフィエンザールの広大な空間の中でオーケストラは余裕を持って捉えられてる。各楽器の音は伸びやかに響いていて、近接的に狙ったマイクアレンジによって潤いのある音の一粒一粒が明瞭に聴こえて来る。現在の、曖昧な雰囲気を重視したサウンド指向とは正反対にある音像表現になっている。 ステージレイアウトは左右に広くとったステレオ感のある定位にまとめられている。リアリティは生々しく各楽器が眼前に迫り来る勢いがある。自分が指揮者になったかのような、オーケストラが手に取るように感じられるリアリティである。音質面は時代相応と言ったところだが、押しの強いダイナミックな音像が好ましい。 ウィーン・フィルが演奏するハチャトリアンの録音が、後にどれほどの価値を生み出したかは判らないが、当時、この自作自演をウィーン・フィルで実現させたデッカの手腕には感心する。 同時期に交響曲第2番と「スパルタカス」も録音しており、録音のみならず歴史的記録としての価値は大きい。 |
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文化財級 |