愛蔵盤級 管弦楽曲
作曲家 アラム・ハチャトリアン
曲名 バレエ音楽「ガイーヌ」 ほか
指揮 ユーリ・テミルカーノフ
演奏 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1985年ごろ 
プロデューサー ジョン・フレイザー John Fraser
エンジニア マーク・ヴィガース Mark Vigars
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点
商品番号:747348−2 EMI   ステレオ
解説
金管セクションを音像の中心に集めた、モノラル定位の録音である。しかし、オーケストラの全体像は充分なステレオ感を確保している。マルチマイクでワンポイント的な音像表現を狙ったものと推察するが、左右への広がりは弦セクションの定位に依存させている。
このレーベルの従来の指向からすると、音の一つ一つが明瞭で、クローズアップされた音のリアリティが聴き取れる。ホールトーンは過不足なく捉えているが、オーケストラが豊かに響くほどのものにはなっていない。むしろ、オーケストラは乾いた響きと言え、スタジオ的な近接音像となっている。ステージレイアウトはエンジニアの恣意的な音作りが顕著ではあるが、違和感を抱くほどのものではなく、実際のホールではこのような定位がむしろ自然なのである。
リアリティは平均的で、音の明瞭さがある反面、生々しさは伝わってこない。音質面やダイナミックレンジは悪くは無いが、少々平坦な音像表現のため、迫力を感じるよりもうるささを感じてしまうかもしれない。
アプローチは悪くないので、音像に深みと艶やかさが加わると一級品の録音になったと思われる。

愛蔵盤級