文化財級 交響曲
作曲家 レオシュ・ヤナーチェク
曲名 シンフォニエッタ
指揮 クルト・マズア
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1993.10.5 エイブリー・フィッシャー・ホール
プロデューサー マーチン・フォーク Martin Fouqué
エンジニア エバーハルト・セングピール Eberhard Sengpiel
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.6
商品番号:4509−90847−2 テルデック ステレオ 
解説
オーケストラの見通しの良い、透明度の高い空気感が印象的である。ホールトーンというよりもステージ上のオーケストラの残響が豊に鳴っていると言った雰囲気である。
このシンフォニアッタは、通常のオーケストラ編成に加え、別働隊としてトランペット9本、バストランペット2本などが加わる変則的な編成を持っている。そこから放たれる音響イメージもやはり特異な雰囲気がある。そうした楽器配置を意識して、音像は、左右への広がりを適度に確保し、各セクション間のバランスも慎重に調整されている。ライヴセッションであるが、客席の気配を無理に削除しようとはしておらず、奏者の実存感を充分捉えた高品位な仕上がりとなっている。
特にハープや木管の定位感は素晴らしく、ステージレイアウトの優秀性を示している。
演奏も、ニューヨーク・フィルハーモニックのブラスセクションの上手さが光る。1楽章は別働隊の9本のトランペットによる演奏であるが、個々の奏法や音質の違いを全く感じさせない、統一されたハーモニーを聴かせる。その他、ソロスティックな場面でも、このオーケストラの超人的なテクニックを楽しむことができる。
文化財級