文化財級 管弦楽曲
作曲家 アルテュール・オネゲル
曲名 交響的楽章「パシフィック231」  ほか
指揮 ミッシェル・プラッソン
演奏 トゥールーズ・キャピトル・オーケストラ
録音 1991.11  Halle aux Grains
プロデューサー クリスチャン・ガンシュ
エンジニア ゲルノート・フォン・シュルツェンドルフ
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.8
商品番号:435 438−2 グラモフォン ステレオ 
解説
オーケストラの力量不足が判るほどに、原音に忠実な自然でまとまりのある音像表現に仕上がっている。ホールトーンは空間に広がる豊な残響成分までをも捉えた内容ではないが、ステージ上の空気感や奏者の気配などを生かした、見通しの良い音像を捉えることに成功している。
各楽器、各セクションの定位感も理想的で、意図的に創られた音像ではなく、マイクセッティングに拠って狙われた好感の持てるオーケストライメージを描いている。
ただ、Tuttiでの音像処理が曖昧になりがちで、楽器によって浮き立つものと埋もれてしまうものが散見されるため、統一感の悪さが気になるところである。このアンバランスは、エンジニアの問題というよりはオーケストラの力量に依存する問題かもしれないが、そうしたアンサンブルの弱さが露呈してしまっていることは否めない。しかし、ステージ上の各楽器は分離良く定位しており、耳障りになるような圧迫感や閉塞感も無く、伸びやかでスピード感のある音像表現に仕上がっていると評価できる。ダイナミックレンジも申し分なく、広々とした音像空間を確保している。
文化財級