愛蔵盤級 サウンドトラック
作曲家 久石 譲
曲名 もののけ姫  ほか
指揮 マリオ・クレメンス
演奏 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1998.6−2003.10 ドヴォルザーク・ホール
プロデューサー 江崎友淑
エンジニア 江崎友淑
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.4
商品番号:TKGA−502 徳間ジャパン  ステレオ SACD
解説
エンジニア江崎友淑氏が手掛けた、スタジオ・ジブリのアニメ作品を集めたコンピレーション・アルバムである。既にイメージアルバムや組曲として発売されているものだが、SACDでのハイブリット盤でのリリースである。いずれも同じ場所での録音で、江崎氏の一貫したサウンドテイストを確認することができる。
ホールトーンは、純粋なクラシックでの録音とは少々趣を異にしており、自然な残響成分を捉えたものというよりは、人工的に処理をされた演出がかった雰囲気になっている。豊な響きではあるが、ここに生々しい実存感を聴き取ることはできない。しかし、この録音がサウンドトラックとして存在しているものだとすれば、大きな違和感を抱くことはない。音質やダイナミックレンジでは申し分ない仕上がりであり、最新のデジタルサウンドを存分に味わうことができる。
既存盤とこのハイブリット盤を比べると、マスタリングの違いが感じ取れる。既存盤は、アビーロード・スタジオでマスタリングするなど、話題性を狙った手法に拠っているが、この盤は全て江崎氏の率いるオクタヴィア・レコードが行なっている。どちらが優れているとは言い切れないが、感触としては、やはり江崎氏自身のマスタリングに共感を得るものが多いと言える。
日本のアニメが世界市場を開拓し、ヨーロッパ文化の中でこのようなオーケストラ作品が評価されていくことは、とてもうれしく誇らしく思えるのである。

愛蔵盤級