文化財級 交響曲
作曲家 アントニン・ドヴォルザーク
曲名 交響曲第8番ト長調
指揮 クルト・マズア
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1993.1.4  エイブリー・フィッシャー・ホール
プロデューサー マーチン・フォーク Martin Fouqué
エンジニア エバーハルト・セングピール Eberhard Sengpiel
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.4
商品番号:4509−90847−2 テルデック ステレオ 
解説
この録音は左右に大きく広がるステージレイアウトを描いていて、こうした音像表現はテルデックには珍しい。ホールの空気感こそ弱いがステージ上のオーケストラが豊な残響に支えられて、たっぷりとした余裕のある音像で鳴り響く。
マルチマイクによるライヴセッションだが、各楽器はバランスよく自然なまとまりで捉えられている。客席の気配を嫌ったため失ったものも多いが、オーケストラの音像が適度の距離感をもっているため、コンサートホールの雰囲気を感じることはできる。
ステージレイアウトは各楽器が定位よく配置された好感の持てる仕上がりである。
演奏はドヴォルザークに対して意外と協調性のあるニューヨーク・フィルハーモニックが、都会的で渋みのあるサウンドを聴かせている。Tuttiでのffにやり過ぎた印象を持つが、それも押さえられないパワーの放出だったのであろう。4楽章ラストでトランペットとトロンボーンが16部音符で一気に駆け下りる奏法があるが、これも難なく見事に吹ききっている。パワーとテクニックによって「上手く」演奏された録音である。
文化財級