文化財級 協奏曲
作曲家 エルネスト・ショーソン
曲名 ヴァイオリンと管弦楽のための「詩曲」
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
Vin.ジノ・フランチェスカッティ
録音 1964.1.6  マンハッタン・センター
プロデューサー ジョン・マックルーア
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.4
商品番号:SMK47548 ソニー(CBS) ステレオ 
解説
オーケストラメンバーの気配、そしてエンジニアたちの気配など、その場に漂う様々な空気感が生々しく捉えられている。こうした気配は本来の音楽とは無縁のものであり、商業的にはノイズとして忌み嫌われて来たものである。しかし、この気配こそが、その場所と時間の瞬間を捉えた記録であり、こうしたリアリティのある空気感があって初めて音楽自体も生き生きとよみがえってくるのである。
フランチェスカッティのソロは、幾分細身で華奢な響きであるが、彼の美質を見事に捉えた録音であり、オーケストラの豊な響きに支えられて優雅に歌う。オーケストラのステージレイアウトは、ソロヴァイオリンを挟んで左右一杯に広がり、悠々と展開する。Tuttiでの音質に硬さを感じるのは否めないが、曲の持つ静謐な雰囲気を損なうものではなく、むしろ弱音を丁寧に捉えた積極的な録音と評価できる。伴奏とソロの音量的なバランスも適正であり、協奏曲的な音像というよりも、交響詩らしい、まとまりのあるオーケストラ表現に仕上がっている。
また、同録のラヴェルの「ツィガーヌ」も同じ日の録音であり、評価も同質である。
文化財級