愛蔵盤級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:410 081−2 | グラモフォン ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
マルチマイクによるライヴセッションである。アナログ時代からデジタルに変わり、その技術革新によって、ライヴとはいえ、客席の気配やノイズといった音楽以外のものを全く感じさせない新しい録音スタイルが確立された。それは、演奏者の一期一会の熱演と完成された商品の提供とを両立させることが目的だった。そして、経費削減という新たな目的も加わり、現在ではこのスタイルがオーケストラ録音の主流となっている。 しかし、邪魔なものとして削除された客席の気配やホールに漂う空気感といったものが、オーケストラの音像表現には欠かせない要素なのである。またライヴとはいえ、複数のテイクをつぎはぎした演奏に、一期一会の気迫がどこまで再現できるのかは疑問である。 この録音も複数日のテイクを編集して完成させている。確かに、演奏の推進力や触発的な躍動感を聴き取ることはできるが、音像表現としてのリアリティに欠けるのは否めない。各楽器は明瞭に捉えられてはいるが、そこに実存感は無く、オーケストラは単なる音の集合体でしかない。奏者の息遣いや、オーケストラが一体となった生きた音像が伝わってこないのである。 評価としては、この時代の平均的な完成度であり、トータルバランスは過不足のない仕上がりといえる。 |
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愛蔵盤級 |