世界遺産級 管弦楽曲
作曲家 レナード・バーンスタイン
曲名 組曲「静かな場所」 ほか
指揮 マイケル・ティルソン・トーマス
演奏 ロンドン交響楽団
録音 1993.9  ヘンリー・ウッド・ホール
プロデューサー クリスチャン・カンシュ
エンジニア グレゴール・ツィーリンスキー
評価項目 評価内容
ホールトーン 8
ステージレイアウト 10
リアリティ 10
クオリティ 10
ダイナミックス 10
平均点 9.6
商品番号:439 926−2 グラモフォン  ステレオ 
解説
驚異的なリアリティと定位の良いステージレイアウトを誇る最高品質の録音である。4Dを標榜するグラモフォンにとって、この録音は数少ない成功例として評価できる仕上がりとなっている。ダイナミックレンジや音質面では、望みうる最高のレベルに達しており、そうした技術的なアドヴァンテージによって、透明感と分離の良い圧倒的な音像表現を聴かせてくれる。ホールトーンこそ、会場の空気感や気配を伝えるものではないが、マルチマイクによるリアリティの追求は、ここに極まったという感がある。
特に、多彩な楽器編成を採る「静かな場所」や「シンフォニック・ダンス」は、リズムセクションが生々しく眼前に迫り、ブラスセクションも申し分の無いリアリティで突き抜けるようなffを表現している。こうした克明な音像の捉え方はワンポイント収録では得られない格別のリアリティであり、そのピックアップされた音像の一つ一つが、違和感無くオーケストラのハーモニーを構築しているのは奇跡的である。マルチマイクでの収録の多くが、明瞭さと引き換えに自然な音像表現を犠牲にしていることを鑑みると、この録音の自然な空間処理は見事としか言いようがない。また、ステレオ感と奥行感が両立されるだけでなく、大迫力のダイナミックレンジも確保されており、各楽器の生々しい質感によって、自分がステージ上の指揮者になったかのような錯覚に陥ってしまうのである。
グラモフォンが究極のクオリティを求めて導入した4Dシステムは、まさに、各楽器の音像がオーケストラの中から手に取るように伝わってくることが特徴で、オーケストラの全体像にも程よい距離感を与えながらも、奏者の息遣いまでも充分に捉えているのである。ステージに見るオーケストラのあるがままの姿がスピーカーから再現される喜びを、この録音によって味わうことができるのである。
この録音はライヴではなく、いわゆるスタジオセッションによって行なわれている。充分に考えられたマイクセッティングとエンジニアの優れた見識により、この録音が歴史に残る奇跡的な仕上がりとなったのである。
世界遺産級