文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:SMK 60696 | ソニー(CBS) ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
広々としたダイナミックレンジに支えられた、豊な空間表現を描くことに成功している。時代を感じさせるテープノイズもほとんどなく、音質は極めて良好な状態を保っている。 1楽章の冒頭、陰鬱で不安に煽られるような半音階のモチーフを低弦が奏でる。ここでの空気感、オーケストラの生々しい実存感が素晴らしい。やがて短く唐突なクレシェンドによって曲が盛り上がると、ハープのアルペジオに乗って独奏ヴィオラに主題が現れる。ハープの音立ちの良さ、そしてヴィオラの質感、一瞬訪れるオーケストラの静寂など、協奏曲として構想されたこの曲の聴かせどころを的確に捉えた、バランス感覚に優れた録音である。 独奏のヴィオラは、オーケストラ全体の音像の中で若干クローズアップされて捉えられているが、それが突出して際立ったものではなく、明瞭に分離された適正な定位で表現されている。実物大の音像表現であると評価できる。ステージレイアウトも適度な広がりを持った良好なステレオイメージを描いている。 リマスタリングの成功によるものなのかもしれないが、この高品質は驚きと敬意をもって高い評価を与えることができる。 |
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文化財級 |