文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:JMCXR−0001 | ビクター(RCA) ステレオ XRCD | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
赤裸々で一切の曖昧さのない生そのものの音である。マイクが捉えたありのままの原音再生である。目の前に奏者がいるかのような見通しのよさと空気感、各楽器の実存感など、唖然とするほどの生々しさである。しかし、これをオーケストラの音像表現として楽しむことは難しい。指揮者が奏者一人一人を間近で見るような距離感であり、手を伸ばせば届くのではないかという緊張感が支配している。ある意味、オーケストラのテスト音源とも言える。 音像表現が各楽器の実存感に徹したものであることで、オーケストラの全体像はつかみにくい。ゆったりと曲に浸ることなどできず、息の詰まりそうな閉塞間に耐えなければならない。しかし、こうした録音もエンジニアの一つの挑戦であり、その存在を受け入れるだけの価値はある。むしろ尊い一枚として意味のある録音である。 ビクターによるXRCDの第1弾である。RCAの所蔵するオリジナル3chマスターテープを蔵出しさせ、アメリカで2chにコピーを行なった。その際に使用した機材は、当時のものに限りなく近づけたものを用意している。そして、その高品質のテープを日本に持ち込みデジタルリマスタリングしている。徹底した音質重視の企画販売で、ここまでしてようやくCDへの可能性が認められたと言える。しかし、時は既にSACDへの転換期を迎えており、結局消費者はソフトの変化に振り回されていくのである。 録音批評も、実は記録された媒体に大きく左右されてしまう弱さがあり、本来ならばオリジナルマスターテープを聴かなくては正しい結論は出せないのである。そして、そのオリジナルには、我々が手にするソフトからは想像もつかないほどのリアリティが詰まっているのである。 |
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