文化財級 協奏曲
作曲家 ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
曲名 ヴァイオリン協奏曲
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
Vin.アイザック・スターン
録音 1959.4.20  セントジョージ・ホテル
プロデューサー ハワード・H・スコット
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.4
商品番号:SMK63153 ソニー(CBS) ステレオ 
解説
残響の豊な、当時頻繁に使用されていたホテルでのスタジオセッションである。冒頭のティンパニのソロが若干オンマイクのため、不自然な音像を感じてしまうが、他の楽器は充分な距離と広がりを保っており、雄大で生き生きとした音像表現に仕上がっている。
ソロ・ヴァイオリンも意図的にクローズアップされることはなく、オーケストラの中心にほど良いサイズで定位しながら、ハーモニーの一部として響きの中に溶け込んでいる。
時代の古さから来る音質の劣化やダイナミックレンジの狭小さは否めないが、ベートーヴェンの楽曲からすれば充分な帯域は確保されておりストレスを感じることはない。ナローレンジなりのバランスのよさが感じられる。
ホールトーンは会場の空間規模を感じさせる余裕があり、広々とした残響が心地よい。オーケストラはそうした豊な響きの中で左右一杯に広げられたステレオイメージで定位している。各楽器がもう少し明瞭に捉えられていると、それが見通しのよさやリアリティにつながるのだが、この録音の評価は、むしろ曖昧さの中で雰囲気の良いオーケストラサウンドを聴かせてくれることにあるのだろう。
文化財級