世界遺産級 | 協奏曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:435 467−2 | グラモフォン ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ライヴ・レコーディングが抱えるリスクとして、客席の気配をノイズとして削除しなければならないという問題がある。しかし、この気配を意識する余り、肝心の音楽性や生々しさを損なう結果に陥る場合は多い。グラモフォンがバーンスタインとのレコーディングで用いたこの手法は、まさにこうした問題が起因して、演奏の良さに対して録音の評価が高まらないという結果をもたらしてしまっている。 しかし、このクリスチャン・ツィマーマンとのベートーヴェン・チクルスは、従来のライヴ・レコーディングで意図的に排除してきた客席の気配を残すことで、生々しく瑞々しい録音に仕上げることができている。 ホールトーンは、オーケストラの残響と客席に広がる空間的な残響を見事に捉え、オーケストラはエネルギッシュに眼前に迫り来る。ピアノとオーケストラの音像的なバランスに、若干ではあるが恣意的な演出を感じてしまうが、全体の音像表現で評価すれば違和感の無い内容となっている。 オーケストラの各セクションは、伴奏でありながらもTuttiでの迫力に欠けることは無く、シンフォニックな楽曲を彷彿とさせる存在感が聴き取れる。一方、ピアノ・ソロもオーケストラの音像の中で見事に定位しており、ステージレイアウトはまったく問題ない。 また、音質的なリスクもまったく無く、ダイナミックレンジも楽曲相応の帯域を確保している。どこを切り取っても過不足の無い、熱気に溢れたライヴ・レコーディングであると評価できる。 なお、同録の1番と2番は、バーンスタインの死後、ツィマーマンがウィーンPoを指揮しながら演奏したものである。エンジニアはHelmut Burkで、より一層の透明感と繊細さのある録音に仕上がっている。しかし、各楽器のバランスなどに不自然な演出があり、ここでの評価には至らなかった。 |
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世界遺産級 |