愛蔵盤級 | 協奏曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:DCD486 | シュミット ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
今時の、この時代の平均的で過不足のない録音である。オーケストラは見通しよくステージ上に実物大に表現されている。独奏のトロンボーンも、ことさらに強調されることはなく、アンサンブルの中で適正に捉えられている。 弦楽器のないウィンドアンサンブルによるコンチェルト録音であるが、奥行感とステレオ的な広がりが素晴らしく、編成の規模を超えたシンフォニックなダイナミズムを聴かせてくれる。 ホールトーンは豊かであり。空間的な広がりを感じ取ることができる。オーケストラは幾分距離のある音像表現であり、ワンポイント的な、まとまりの良い内容となっている。しかし、会場、あるいはプレイヤーの生々しい気配と言ったリアリティは薄く、豊かなホールトーンも機械的に加えられたものの様にも聴こえる。美しく透明感のある響きが、音像自体のリアリティにつながっていないことが残念である。 音質面やダイナミックレンジはデジタルスペックの中で充分なレベルを確保しており、ストレスはない。時折、眼前に迫りくるTuttiを聴かせてくれるが、決して耳障りな硬質感や圧迫感にはならず、伸びやかでゆとりのある音像表現を維持している。ホール全体が澄んだ響きに満たされているのである。 独奏であるアレッシーの、アグレッシブで透明度の高いトロンボーンの音も聴き応えがある。低域から高域まで、屈強で力強い演奏は見事である。金管楽器のベルから出る直接音を避け、録音は、ステージ上の残響成分やホールのアンビエンスなどを巧みに生かして、生々しく美しいウィンドアンサンブルの世界を描き出している。 |
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愛蔵盤級 |