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2003年6月27日 「ナビ・プロジェクト第3弾、これがファイナル」
宮崎医院の所在地をご存じない患者さんを、当院まで誘導する「ナビ・プロジェクト」。昨年の12月に看板広告と電柱広告による第1弾、第2弾の作戦を実施し、ニュースのコーナーで報告しましたがおぼえてますか? この作戦はなかなか有効で、吉良町以外の遠方から来院された方々でも、迷子になることもなく、無事に到着されています。ナビ・プロジェクト全体に共通する広告デザインについても、「医者の看板らしくない」というおほめの言葉(?)をいただくことが多くて喜んでいます。
さて、今回の第3弾は交通標識のような高いポールに小型の看板をつけたタイプで、国道247号線沿いの西尾信用金庫吉田支店向かいに立ちました。本当は昨年12月に他の看板と同時に設置する計画でしたが、地主さんの都合などでのびのびになっていたものです。これで昨年末からのナビ・プロジェクトはすべて完了しました。
7月から水曜午前の診療を開始するので、すでに設置してある看板も同時に模様替えしました。診療時間の変更に加えて、本年2月から「内科専門医」の資格を持っていることを「広告表示」することが認められたために、その項目も追加しています。医療業界に関係のないかたには、ふしぎな話に聞こえるかもしれませんが、これまで専門医の資格を持っていても、それを広告することは禁止されていました。それが、昨年4月に「医業に関する広告規制緩和」という厚生労働大臣告示が出てから、看板にホームページのアドレスを入れたり、専門医資格ありと広告することも可能となったわけです(これも小泉首相の改革路線の政策に関連しているようですが・・・)。「内科専門医」の資格は5年ごとに更新しなければなりませんが、広告可能となったとたんに、専門医更新に必要な研修等の課題を、従来の1.5倍の分量にアップすると発表した内科学会の姿勢にも驚かされました。広告するなら、勉強しろということですね。はい!しっかり勉強させていただきます。

<もうおなじみ、ブルーに白抜きの宮崎医院のロゴです>
2003年6月17日 「初体験・中学校で授業をしてきました」
6月16日午後にお隣の西尾市にある西尾市立西尾中学校に出かけて、1年生のみなさんに授業をしてきました。これは、「人のために活動している人に出会おう」というタイトルのついた「総合的な学習の時間」のなかでの企画で、この中学校で教員をしている高校時代からの友人K先生から依頼されたものです。
この日は、医師であるわたし以外にも、介護福祉士、救命救急士、青年海外協力隊、ホスピスのボランティアなど多数の講師が招かれており、なかでも災害救助犬の大きなワンちゃん2匹の姿には驚きました(「人のために活動している動物」ですよね・・・)。これら多彩な講師陣が11の教室に分かれて配置され、生徒さんたちは自分が聞きたい授業を2つ選択し、その教室に集まるという方式なので、講師は午後2時からと午後3時からの2回にわたり同じ授業を45分間行うことになります。
大学で医学部の学生さんや看護婦さんたちを相手にした「職業教育」としての講義は相当やってきましたが、中学校で「授業」をするのなんて初めての体験です。中学1年生といえば、子供ともいえず、大人ともいえない微妙なお年頃。純真な中学生たちを相手にして、さて、どんなことをお話したらよいか相当悩みましたが、医師の仕事を紹介するのが目的なので、大学病院での白血病専門医としての活動と、宮崎医院での家庭医(かかりつけ医)としての活動を対比させながら授業をすすめました。
夢中になると、ついつい、大学の講義の口調になってしまうのか、1回目の授業終了後に、プロの中学教師である我が友K先生から、「もう少しやさしい言葉を使わないと、生徒たちにはわからないよ」という指摘を受ける始末。反省して2回目の授業にのぞみ、なるべくわかりやすい言葉でしゃべるようにこころがけたところ、K先生からは「2回目のほうが上手になった」とおほめの言葉をいただきました。生徒さんたちからも、「宮崎医院にSARSがきたらどうしますか?」などなど多数の質問がありましたが、この日の聴衆のなかから医療の道に進もうと思うひとが出たりするのでしょうか。冷や汗タラタラの2時間が終わり、中学校の授業のほうが、大学の講義よりずっとむずかしいことを実感した次第です。

<中学生たちの真剣なまなざしに囲まれると緊張します・・・(^^;)>
東海地方も梅雨となりじめじめとした天気が続きます。この蒸し暑い季節になると、敏感になるのが「におい」。日頃は気にならない室内のにおいや、ひとの発するにおいが気になるもの。
宮崎医院の待合室・診察室のアメニティーを向上させるために、昨年8月以来さまざまな試みを行ってきましたが、最もむずかしいのが「におい」という問題でした。そもそも、病院や診療所は消毒薬などによる「病院くさい」といわれる特有なにおいがあるわけですが、当院ではそれ以外に建物の老朽化により、字義通りの「古くさい」においがただよっており、それらのにおいをいかにコントロールするかは悩ましいかぎりです。
みなさんはエレベーターで偶然乗り合わせたひとがつけている、香水や整髪料のにおいのために気分が悪くなったという経験はありませんか?においの感覚である「嗅覚(きゅうかく)」は人間にとって最も原始的で、官能を刺激するものであるがゆえに、あるひとにとっては良いにおいでも、別なひとにとってはとんでもない悪臭と感じることもあります。それだけに室内の香りの選択もむずかしくて、スーパーや薬局で広く売られているような芳香剤や消臭剤は、一般にきつい香りや安っぽい香りが多く、台所やトイレに置くならまだしも、診療所のスペースに置くには抵抗があります。
外国人(特にヨーロッパのひと)は日本人に比べて香りに対するセンスが良いのか、海外のリゾートホテルなどに宿泊してみると、その空間にふさわしい香りが、本当にさりげなく配置されており感心させられます。そんな居心地のよいリゾートホテルの雰囲気を持つルームフレグランスはないかと探していたところ、数年前に某所でフランスの"エステバン" Estebanというブランドをみつけました。エステバンの製品は、上品で複雑な香りのするアロマオイル(現在のところ11種類あり)を、その香りにふさわしい美しいかたちをした陶器製のギャレと呼ばれるものにしみこませて、部屋の片隅においておくという使いかたをするのですが、自宅や車においてみてなかなか良かったので、診療所のスペースでも使用できるかどうかテストをしているところです。
待合室周辺の香りとして選んだのは、「グリーンノート」と呼ばれるシリーズで、エステバンの資料をみると「プロバンスのすがすがしい朝の物語。バラやゼラニウムと、カシス&チェリープラムのハーモニー。みずみずしいグリーンブーケの香りが潤いのある心地よい空間を演出します」と書いてありますが、わたしの鈍感な花粉症鼻では、とてもそれだけの種類のアロマを嗅ぎ分けることはできません。トイレの周辺には「マリンノート2」という海をイメージした香りをおきましたが、こちらも「スイカやグレープフルーツの果実に、シクラメン、ヒヤシンスのフローラルな香りが加わったフレッシュでみずみずしい香り。爽やかな地中海ブルーの香りが広がります」とこちらもややこしい説明あり。関心のあるかたは名古屋栄パルコ南館7階に大きな直営ショップがあるので、そこでにおいをかいできてください。おもしろいことに、このブランドの日本代理店をしているのは、「毎日香」で有名な日本香堂というお線香屋さんなので、おしゃれなパルコのお店でも、「毎日香の日本香堂」という抹香くさいダンボール箱を目にすることができます。
最近、医療の分野でもアロマセラピーが注目されており、医療関係者を対象にした講習会が開かれています。また、産婦人科や美容外科などを中心に、病院内でアロママッサージを加えたエステのようなものをはじめている施設もあります。わたし自身はアロマセラピーというものを胡散臭く思う立場の医者ですが、ホテルやレストランなどの公共スペースでの香りの演出には大いに関心があり、今後も研究して宮崎医院のアメニティー向上にとりいれたいと考えています。

<エステバンの「グリーンノート」ギャレ(ポプリ):
葉っぱのかたちをしたセラミックにアロマオイルをしみこませて使います>
6月に入りました。最近の院長日誌は、やれSARSだ、やれ車上ねらいだと、恐ろしい話題ばかりなので、書いているほうも気がめいるというもの。ここらで気分を明るくするためには、「欲しいものを買う」ショッピングが一番(ブランド品買いやバーゲンセールでストレスを発散する女性の気持ちが良くわかる?)。というわけで、今回のお買い物はウオール・クロック(掛け時計)です。

<アルネ・ヤコブセンがデザインした”City Hall Clock”>
この時計はデンマークの建築家であるアルネ・ヤコブセン Arne Jacobsen (1902-1971) が、1956年にロドーヴル市庁舎のためにデザインしたもので、「市役所の時計」”City
Hall Clock”という名前がついています。ヤコブセンはセブンチェアやスワンチェアなどの名作椅子の作者としても有名ですが、この時計も時刻の見やすさと、シンプルな形態の美しさとが両立したデザインです。
さっそく宮崎医院の待合室の時計として採用。同じ待合室には、1月5日の院長日誌でご紹介したアアルトの椅子(made in Finland)も置いてあることから、北欧のモダンデザインが集まってきていい感じです。アアルトの椅子のときも、患者さんや業者さんから「ホームページに出ていた椅子はどれですか?」と聞かれて、話に花が咲くこともありましたので、今度は受付窓口頭上の壁にある「ヤコブセンの時計」にご注目ください。本当はもっと大物のソファなどを導入したいのですが、デザイナー物の家具は非常に高価なために、手の出るものから徐々にそろえて、当院のスカンジナビアン モダンデザイン計画(別名「宮崎医院北欧化計画」)を密かにすすめたいと思います。

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