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労働力の確保 |
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茶の卸売価額と労働賃金を比較した例である。
明治33年当時の茶価は、上等の玉露茶3・75キログラム当たり4円50銭(大正13年になると15円)であった。
技術が優れ製茶の仕上げまでできる「上等茶師」の労働賃金(日当)は、50銭(同2円50銭)であった。
茶摘み賃は生葉3・75キログラム当たりの2銭(同20銭)である。
労働面で平均的な女性1人の1日(午前6時頃から午後6時頃まで)の摘葉量は、成木園で1番茶の場合30〜40キログラムである。
茶園主の必要とする労働力は、茶園管理のための労働力をはじめ、茶摘み人夫と製茶従業者である。
ことに摘み女と言われる労働力の確保は、茶園主にとって悩みのたねであった。
これらの労働力の調達方法は、時代や地域によって異なり、詳しくは各茶園主によって違う。
家族の労働を中心とし、少数を近在の者までまかなうもの、あるいは親戚やその知人で都合のできるものもあったが、上町で製茶工場を持つ比較的規模の大きな茶業者の場合は、ほとんど雇用労力に頼っている。
この点にについては、林口孝『西尾茶の経済地理学的研究』が詳しいので、それをもとに補足して述べよう。 |
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