|
|
|
研究会 |
|
愛知県製茶研究会は、明治41年6月に杉田鶴吉を会長として開設された。
その会場となった杉田鶴吉の家は、49.5平方メートルの大きな実習室を設け、この隣室の製品の貯蔵室(蔵)の奥に審査室、生葉室と蒸室の間に食堂がある。
実習室は、実習生がいない期間は製茶室で、隣接の蒸室で生葉を蒸し、ここで茶師が加工をする。
建物全体が製茶所を中心とした配置であり、大人数が収容できるように作られている。
ここで各種の研究会が行なわれたり、実習所あるいは共同製茶所ともなったりしたのである。
研究会がいつまで継続したかは明らかでないが、実習期間は一番茶の摘葉期4週間であった。
また、実習内容は手揉み茶の製法である。
期間中研究会の要員は、会長および監督(会計を兼務する)各1名のほか理事2、書記1、製造助手2、蒸手伝い1、小使1である。
講師は2名あるいは4名であったと想像されるが明らかでない。
講師の選定については、茶業組合中央会議所静岡出張所の中央会研究所(静岡県安西町)に依頼した。
中央会研究所大林雄也の杉田鶴吉あて書状によると、「貴所伝習教師として7月3日着4日より10日に至る7日間。静岡市東町青木喜作(43歳)氏当中央会研究技術を勤め上げ出張致し候様承諾いたし候間。右御通知申し上げ候。本人は揉切法も転繰法もともに上手(略)」と講師を推奨している。
あるいは、講師は青木喜作一人であったのかもしれない。 |
|