西尾市茶業組合 EXPO
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概要
  製茶伝習

 幡豆郡茶業同志会は技術向上のために製茶伝習会を開催した。
明治40年の春期伝習会では、青年伝習会と特別伝習会の2部に区別されている。
青年伝習会を5月3日より3日間、特別伝習会は同月6日より11日までの6日間行なった。
会場は茶業組合長小林幸衛(上町)の製茶場で、教師は京都府茶業連合会議所の技手林甚九郎であった。
 補助金を受けた西尾町役場や幡豆郡役所へ報告した「製茶伝習状況報告」(上町、杉田寛清蔵)によると、青年伝習生は定員の20名が参加した。
まず「純粋の素人なるを以って教師は製茶要領理論を説き生葉より仕上げに至る迄ノ逐次の順序方法を指示し」、その後各伝習生が3班に分かれて生葉1貫匁(3.75kg)分の蒸葉を培爐で製茶する。
教師も同様1貫匁を教導しながら製茶し、最後に各培爐を回って教習する。
 特別伝習に参加するものは、地元の茶師あるいは茶園主や製茶場の従業者等で、定員30名のところ17名が参加した。
教師が注意事項の要領を述べたあと、参加者は3班にわかれて生葉1貫匁を蒸して製茶する。
教師は伝習者の製茶法を巡視して「癖を訂正教習」する。
従来の茶が茶師によって製品が異なっていた点を改善して、西尾茶はどの店の茶も同じ技法で統一した製品を生産しようとするものである。
 伝習会の成果について、最後の試験の結果から、「製茶法の理論技術の要領は充分に習得し得たり」としながらも、青年伝習生は素人であり技術は不十分であるが要領はほぼ会得した、特別伝習生の技術は「練磨修習」し、改善の目的を達し得たが、技術の癖を脱しえなかった者もあったと記されている。
伝習会の教師は、春期は宇治(京都府)方面から1名、夏期は静岡方面から1名を招聘した。
教師は見学をかねて宇治、静岡に幹部がでかけて選定交渉した。
会期は時によって異なるが10日前後である。教師一人に要する経費は、明治40年では教習料15円と旅費、滞在雑費等合わせて15円、合計30円であったが、一人分を幡豆郡役所から、他の一人分を西尾町役場から補助を受けている。
その結果、明治39年の模範茶園での春期の玉露茶の生葉摘採量は250貫(製茶量41貫)あり、夏期の煎茶の生葉摘採量は、50貫(製茶量10貫)であった。

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