2009年の読書メモ
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日本シリーズ全データ分析―短期決戦の方程式 ちくま新書 [著者]小野俊哉
   [定価]720円+税 [読了日]12/16
 【概要】なぜ北京五輪は惨敗し、WBCは連覇できたのか。日本シリーズ全59大会350試合のデータから、短期決戦に強
   い監督とその采配の秘密に迫る。
  【寸評】著者の『全1192試合V9巨人のデータ分析』を夏に読んだが、非常に優れもので面白かったので、今回、書店で
   見つけ即決で購入して読んだ。前作同様、よくぞここまで分析されるものだと感心する。短期決戦は運や勢いだけでは
   なく、特有の策略が功を奏する、という事を証明してくれる。巨人の原監督も短期決戦が強くなってきた。来季もプロ野
   球の動向には目を離せない。著者の次作にも期待したい。

サラリーマンのためのお金サバイバル術 朝日新書 
   [著者]岡本史郎 [定価]740円+税 [読了日]12/13
 【概要】資本主義は、誰にお金を使わせるかのゲーム。みんな知らないうちに、「人並み」で「過剰」な消費をさせられて
   いる。(1)ムリな支出の見直し→(2)年収の3割を貯金→(3)余裕資金で運用。この3つのステップで初めてお金持ちへの
   道は開けるのに、無謀な運用に走ってしまう人も多い。カリスマ経営コンサルタントが、お金の現実を知ってしたたかに
   生き抜く知恵を伝授。
  【寸評】昨年後半からの景気後退、今年から給与低減の影響もあり、買い控え、お金に対する危機感が高まった。そん
   な中、タイトルにつられ本書を購入して読んだ。貯金を増やしていくのは簡単ではないが、今後の事を考えると必須。
   気持ちを引き締める上では有用であった。

野村の革命 KKベストセラーズ [著者]野村克也 [定価]1,500円+税 [読了日]12/5
 【概要】最後の怪物の壮絶な野球人生。半世紀以上の歳月を野球人として歩んできた野村克也の軌跡と、監督として現
   代の若い選手達に求める野球観を中心にまとめた1冊。桑田真澄氏との特別対論を収録。
  【寸評】楽天を2位に押し上げ、クライマックスシリーズを盛り上げた著者は長きに渡り、野球界に貢献してくれている。
   著者の作品は何処か惹かれてしまい購入して読んでしまうが、今回は楽天の事も触れていて、いつも以上に興味
   深く読めた。野球は「頭のスポーツ」で奥が深い。その事を知らしめた人であり、多くの人材を活かしてきた。お疲れ様
   と言いたい。来季は解説で楽しませてくれる事を期待している。

組織と人間 角川ONEテーマ21 [著者]小倉寛太郎、佐高信 [定価]724円+税 [読了日]12/2
 【概要】映画化された山崎豊子のベストセラー『沈まぬ太陽』の主人公・恩地元には、モデルとされる人物がいる。その人
   物である(1960年代に労働組合を率いた)小倉寛太郎に、評論家・佐高信が、会社組織の中で信念を通した人間の生
   き方に迫る。
  【寸評】最近の日本航空再建の動向もあり、映画の『沈まぬ太陽』が話題になっていて、職場でも原作を読んだ人が多
   い。そのモデルである小倉氏の対談や「働くということ」という文書を読めたのはよかった。人間のあり方とかについて
   考えさせられるし、彼の語る言葉には重みや説得力がある。

読むだけですっきりわかる日本史 宝島社文庫 [著者]後藤武士 [定価]476円+税 [読了日]11/28
 【概要】世界の中でも類い稀なる急成長を遂げてきた国、日本。この国の歴史は良い時代、悪い時代各々に生きた先人
   達の、貴重な体験談の宝庫であり、私達現代人にとっても、人生をよりよく生きるためのヒントが満載されている。本書
   は、その歴史を完全網羅し、教科書では取り上げられない目からウロコの意外なエピソードも紹介されている。
  【寸評】NHK大河ドラマ「天地人」も完結し、12月は5回に渡り「坂の上の雲」、1月からは「龍馬伝」が放映され、歴史物
   が面白く思う中、本書が目に留まり、日本史を一気に手短に解説しているので、読んでみた。タイトル通り、分かりやす
   くまとめられていてコストパフォーマンスが高い。司馬氏の作品をじっくりと読んでいくかな。

日経ヴェリタス 大江麻理子のモヤモヤとーく 日経ビジネス人文庫 
   [著者]日経ヴェリタス編 [定価]667円+税 [読了日]11/15
 【概要】テレビ東京の大江麻理子アナウンサーが、時事経済についてのモヤモヤを、「日経ヴェリタス」編集部にぶつけて
   スッキリ解決!ポッドキャストランキング1位を獲得した人気番組の文庫化。
  【寸評】大江麻理子アナウンサーの話し方は好感持て、ひと頃、土曜日に「週刊ニュース新書」を観るようにしていたも
   のの息切れしてしまった・・・。本書は大江アナが「日経ヴェリタス」編集部との経済問題について対話していて、読みや
   すく何となく理解できた気分になる。

キャッチャーという人生 講談社 [著者]赤坂英一 [定価]1,500円+税 [読了日]11/13
 【概要】野村と古田の陰に隠れた6人の名捕手達(村田、達川、山中、谷繁、大久保、里崎)の、栄光と挫折。「女房役」と
   呼ばれる脇役達の、静かなる闘いを綴る―。
  【寸評】著者の「バントの神様」「ジャイアンツ愛」を愛読したので、本作も期待して読んだが、実に面白かった。どうしても
   野村、森、古田が注目され、取り上げられる中、6人の捕手達の苦労話、思いを綴っていて感銘させられる。現在、巨人
   のコーチをつとめている村田氏の事をより好感が持てるようになった。

凍 新潮文庫 [著者]沢木耕太郎 [定価]552円+税 [読了日]11/7
 【概要】最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史は世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続け
   ている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンだった。だが彼は、妻と共にその美しい氷壁に挑み始めた時、
   2人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった―。
  【寸評】今年の5月に著者の「旅する力-深夜特急ノート-」を読んだ事を契機に本書の存在を知り、購入したが、ようや
   く拝読。なかなかリアリティ・迫力があって読み応えがあった。かなり昔に著者の「敗れざる者たち」を読んで上手いと
   思ったが、著者は紀行物・エッセイのみならず、ノンフィクションの書き手としても優れている。

ルポ 中国「欲望大国」 小学館101新書 [著者]富坂聡 [定価]740円+税 [読了日]10/24
 【概要】食品偽装や環境汚染など、現代中国が垣間見せる“歪み”は、彼の国が抱える数多くの社会問題のごく一部に
   過ぎない。日本ではあまり報じられないが、中国では日々仰天するようなニュースが相次いでいる。夫の浮気を番組で
   暴露した女性キャスター騒動に象徴される不倫や愛人をめぐる事件から、「ネット中毒」で犯罪に手を染める少年達の
   問題、更には「替え玉受験」等などの経歴偽装まで…。
  【寸評】08年1月に家族でオリンピック開催前の北京を訪れたが、89年にも訪れた私にとっては、発展の凄まじさに仰天
   した。しかし、その裏側に潜む問題を本書で取り上げている。ドロドロしていて日本と同じような問題も抱えており、内情
   の一面が見えた。

新装版 ザ・闇金融道 宝島SUGOI文庫 [著者]夏原武 [定価]4570円+税 [読了日]10/18
 【概要】平成大不況で暴走する「闇金ビジネス」の恐ろしい実態を描写。なぜ金利50%を超える「金貸し」が成り立ってし
   まうのか。風俗に沈む女から、マグロ漁船で返済する男まで、借りる奴らと貸す奴らの一部始終を完全ルポ。
  【寸評】闇金にハマってしまうワケ、暴利のカラクリを徹底解明していて、生々しくて怖いけど非常に勉強になる内容。
   甘い話などない。節度ある生活を送る事とお金の基礎知識をしっかり習得しておく事が大切だね。

恥の殿堂 小学館101新書 [著者]落合信彦 [定価]720円+税 [読了日]10/12
 【概要】バラマキで国民の歓心を買う政治家、取材経験もない放言テレビキャスター、教師に逆ギレするモンスターペ
   アレント、草食系男子に、婚活女子…。この国の「恥の文化」は何処へやら。海外に目を転じても、グリード(強欲)深き
   ウォール街の面々、そのカネを選挙資金の当てにする米大統領、傲岸不遜なコピー商品大国…。そう、この世界は
   Hall of Fame―名誉殿堂―ならぬ、Hall of Shame―恥の殿堂―となってしまった。世界に蔓延(はびこ)る恥という恥
   をメッタ斬りすれば、その先には誰も知らない唯一無二の真実が見えてくる。
  【寸評】著者の作品は若い頃はよく読み、講演会にも2回行った事がある。手軽な新書で発刊されたので久々に読んだ。
   正におっしゃる通り、という感じで鋭く指摘している。本書に登場してくる事例は確かに恥の面がある事は否めないが、
   ドキュメンタリー番組に取り上げられているような愚直に懸命に取り組んでいる多くの人がいる事も確か・・・恥と言われ
   ない真摯な生き方をしていきたいもの・・・

日経スペシャル ガイアの夜明け ニッポンを救え 日経ビジネス人文庫
  [著者]テレビ東京報道局=編  [定価]743円+税 [読了日]10/10
 【概要】混乱する金融危機の真相、ニッポンの農業を救う技術革新、「単身世帯」急増の不安、新しい市場への挑戦―。
   闘い続ける人達を追ったテレビ東京の人気番組から20話を収録したシリーズ最新作。
  【寸評】「ガイアの夜明け」は今年9月で満7年半、2010年初めには400回になる長寿番組で非常に関心を持って観てい
   る。何気にTVで観ていた事を活字で読むと、おさらいになり、ビジネスに対する取組み姿勢等がよく分かり、勇気付け
   られる。本作は昨年の急激な景気後退してからの内容ゆえ、混迷する時代に闘い続ける現場が描かれている。

血税空港 本日も遠く高く不便な空の便  幻冬舎新書 [著者]森功 [定価]760円+税 [読了日]10/4
 【概要】頭打ちの国内線中心の羽田空港。米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港。全国津々浦々99の空港
   のほとんどが火の車で、毎年5000億円の税金が垂れ流し状態である。そんな航空行政を緊急告発・・・
  【寸評】業務上、空港に関わる内容ゆえ、関心を持って読んだが、日本の数多くの空港の実状があからさまに綴られて
   おり、衝撃的である。港にも色々な実状があるのだろうな。航空行政のあり方について警笛し、色々と考えさせてくれ
   る多くの人が触れた方が良い内容である。

ラミ流―How to succeed and be positive 幻中央公論新社 [著者]アレックス・ラミレス
   [定価]1,400円+税 [読了日]9/27
 【概要】いつも元気で明るく、しかも強い…いまや読売巨人軍のチームリーダー的存在であり、ムードメーカーとしても活
   躍する「ラミちゃん」。自身の体験から得た成功の秘訣とは?
  【寸評】ヤクルト在籍時は手強い存在で、08年に巨人に移籍した際、どれだけ活躍するかと少し疑念があったが、08年、
   09年共に申し分のない活躍をしてくれた。頼もしく好感の持てる選手である。そんな彼の経歴、野球に取り組む姿勢、
   今後の夢などが語られており、彼を更に応援したくなった。

しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール 幻冬舎新書 [著者]香山リカ
   [定価]740円+税 [読了日]9/26
 【概要】資本主義の曲がり角を経験し、人々は平凡で穏やかに暮らせる「ふつうの幸せ」こそ最大の幸福だと気がついた。
   自慢しない。お金、恋愛、子どもにしがみつかない――新しい幸福のルールを精神科医が提案。
  【寸評】リラックス状態でさらりと読める内容。あと書きの最後のフレーズ”普通にがんばって、しがみつかずにこだわら
   ずに自分のペースで生きていけば、誰でもそれなりに幸せを感じながら人生を送れる。それで十分”が印象的で本書
   の内容を端的に言い表している。

頂きはどこにある? 扶桑社 [著者]スペンサー・ジョンソン [定価]933円+税 [読了日]9/21
 【概要】谷間に住む不幸な若者。彼は、まだ見ぬ世界を求めて必死で山の頂きへと登り、そこで不思議な老人に出会う。
   老人が教えてくれたのは、「山と谷の対処法」―仕事と人生における良い時期と悪い時期を思いどおりに操るスキル
   だった!
  【寸評】世界的超ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』の著者が贈る新たな人生の指針。 前作がインパクトがあった
   ので、かなり期待して読んだ。正直、前作ほどではなかったが、人生の山と谷における気の持ち方を触れており、参考
   になりうると思う。なかなか外国人の著作を読まないので、良い機会だった。

天才たちの流儀 いつもの自分から抜け出す22のヒント PHP [著者]テリー伊藤
   [定価]1,200円+税 [読了日]9/21
 【概要】あの人はなぜ「すごい」のか。あの人はなぜ「できる」のか。いつもの自分に満足していない人達へ贈る、テリー流
   自己啓発のノウハウ。
  【寸評】雑誌「THE 21」に連載されていたものを書籍化。原、落合、桑田、清原、三谷幸喜、橋下知事、本木雅弘等22人
   の著名人の生き様・スタンスに触れて、どこを参考にしていくか、ポイントをまとめていて読みやすい。著者の温かい
   敬意を持った眼差しで書かれた内容に好感が持てる。

プロ野球が殺される 文春文庫 [著者]海老沢泰久 [定価]533円+税 [読了日]9/8
 【概要】日本のプロ野球人気の低落がとまらない。選手の目が大リーグを向き、テレビ局が放映権を返上した現在、選手
   の年俸の上限は1億円が妥当なところではないか―。「Number Web」で累計100万人以上に読まれる名物コラム
   「スポーツの正しい見方」のベスト・セレクションにオリジナル原稿を加えて、超辛口の正論が炸裂。
  【寸評】著者の作品は好きで何冊か読んでいる。厳しい意見を言うが、スポーツに対する熱い思いがあるからこそであり、
   賛同する所が多い。著者は今年8月に病気で帰らぬ人となられた。本書は追悼をこめて緊急出版された作品で今年の
   夏のコラムも掲載されている。今後、彼のコラムを読めないのは非常に寂しい。

大前の頭脳 「産業突然死」時代を生き抜く知恵 日経BP社 [著者]大前研一
   [定価]1,600円+税 [読了日]9/6
 【概要】少子高齢化、食料自給率の低下、防衛外交問題、学力低下、政治への無関心、若年労働者の非正規雇用、マス
   コミ低俗化、官製不況、地方自治の形骸化―。この国に迫りくる難題をどのように解決すべきか? 混迷の時代を打破
   する「知のサバイバル技術」について「問題解決のエキスパート」である著者の思考回路を一挙公開。
  【寸評】著者が新作を出す度に、どうしても気になり、50%の作品は購入してしまうのでないだろうか。タイトルは妙だが、
   日経BPのウェブサイトに連載している”「産業突然死」時代の人生論”を編集した中味の濃い読み応えのある内容だっ
   た。様々な視点でじっくり考察していかないとね・・・

WBC日本代表はなぜ世界一になれたのか? ぴあ [著者]小関順二
   [定価]1,400円+税 [読了日]9/5
 【概要】プロ野球を代表するスターから無名の有望選手まで、ストップウォッチ計測という手法で一刀両断!「目からウロコ」
   のデータを提供してきた著者がWBC日本代表などプロ野球選手の“実力”に迫る。日本代表はなぜ世界一になれたの
   か? WBC連覇の秘密がストップウォッチ計測データで明らかに!
  【寸評】「週刊現代」で2006年9月〜2009年7月まで連載された「野球よ、止まれ」を編集されたもので、ここまで徹底的に
   走力、捕球〜送球、牽制等のスピードにこだわって追求した分析は初めてだ。野球におけるスピードの重要性を分か
   らせてくれ斬新的な内容だった。

反骨心 角川ONEテーマ21 [著者]清原和博 [定価]705円+税 [読了日]8/29
 【概要】戦うとは何なのか。逆境を乗り越え試練と立ち向かう。そこにはいつも挫折の壁がある。すべては反骨心で夢を
   つかむ。「無冠の帝王」の著者の人間哲学。
  【寸評】どこか気になってしまう著者の高校時代〜西武・巨人・オリックス在籍時の各々の思い、挫折・ケガとの闘い等
   本音で綴られている興味深い内容。いつか指導者として桑田氏、野茂氏、金本氏らと球界を盛り上げてくれるかな?

聞いて、ヴァイオリンの詩 文春文庫 [著者]千住真理子 [定価]629円+税 [読了日]8/22
 【概要】12歳でプロ・デビューし世界を舞台に活躍するヴァイオリニストが音楽、家族の事から健康法やワインの事まで綴
   るエッセイ集
  【寸評】著者の演奏会を2回程聴きに行った事があるし、CDも1枚持っている。実は年齢不詳であった著者のヴァイオリン
   を始める経緯、挫折、家族や観客とのエピソードを力強いタッチで語っている。年齢も概ね分かったし、著者の事も知れ
   て、また演奏会に足を運びたくなった。中村紘子氏、高嶋ちさこ氏同様、音楽だけでなく、色々と能力があるものだな。

シンプル族の反乱 KKベストセラーズ [著者]三浦展 [定価]743円+税 [読了日]8/17
 【概要】自動車販売は減っているが自転車は人気。百貨店は苦しんでいるがユニクロは絶好調。エコ志向、ナチュラル志
   向、レトロ志向、和風好き、コミュニティ志向、先進国より世界遺産、農業回帰…新しい価値観が台頭してきた。シンプ
   ル族が日本を変える。
  【寸評】若者の価値観、ライフスタイルなどの世代研究で知られる著者の本はこれで3冊目となる。シンプル族の傾向を
   捉え、若い世代の考え方が描写されていて勉強になる。今後、経済が再生するには若者のニーズを的確に把握し、
   対応していかないと苦しいだろう。シンプルで長持ちする社会システムに適合できるかが大事と説く巻末のフレーズに
   共感した。

プロ野球「カネとタブー」 宝島SUGO文庫 [著者]別冊宝島編集部編
   [定価]457円+税 [読了日]8/12
 【概要】ベンチに盗聴器を仕掛け、球種を盗むスパイ野球の実態。2千万円を張る野球賭博とプロ野球選手の関係。有名
   選手&用具メーカーの「アゴ、アシ、マクラつき」アドバイザリー契約。薬物汚染。「敵に回せない」――指導者が語る高
   野連の実態。伝説の寝業師の虚実と「喫煙・暴走族。ソープ」に明け暮れた甲子園優勝投手…。球界に蔓延する「非
   常識」が、今明かされる・・・。
 【寸評】プロ野球、更には高校野球をも巻き込んだダークサイドを生々しく語っており、新鮮でもあり、驚愕でもある。故・
   根本氏の寝業の数々はプロの手法として恐れ入り、それゆえ西武、ダイエーの強い時代があったのかと納得させら
   れる。「スターがスターでなくなる時」のエピソードの数々も非常に印象的だった。

手塚治虫 知られざる天才の苦悩  アスキー新書 [著者]手塚眞 [定価]743円+税 [読了日]7/28
 【概要】没後20年を経ても未だ越える者が現れない、圧倒的な存在と作品世界。様々な批判や苦難を乗り越え、常に新
   しいものに挑戦し続けた手塚治虫。日本が生んだ偉大なるパイオニアは、息子の目にどう映ったのか・・・。
 【寸評】手塚治虫は素晴らしい漫画家である。息子である著者が父を見つめ、父の視点も織り交ぜて、父親の世界観
   を語っていて興味深い内容である。ライバル心が非常に強く、「巨人の星」や対抗してくる作品・漫画家をこきおろした
   というエピソードは人間臭さが出ていて印象的。たくさんある著作に最近、ふれていないが、一姫二太郎は今もよく
   「ブラックジャック」を読んでいる。

世界一の方程式  ベースボール・マガジン社新書 [著者]山田久志 [定価]800円+税 [読了日]7/17
 【概要】「ピッチャーで攻める」WBC最強投手陣を束ねた山田イズム。2009年WBCでサムライジャパンを世界一に導いた
   ピッチングコーチが、最強の組織作りのノウハウを公開。準決勝、決勝でダルビッシュを守護神に立てた決断の流儀、
   60歳を超える著者が20代の個性派をまとめた対話術、イチロー、原監督を支えた参謀学について語る。
  【寸評】WBCでは侍ジャパンが連覇を成し遂げて魅せてくれた。投手コーチとして支えた著者の視点から、裏話、参謀
   学について語っており、非常に読みやすく、微笑ましい内容だった。原監督についても触れられており、ますます応援
   したくなった。連覇の余波か著者のみならず、与田氏も高代も発刊している。読んでみたいとは思うが・・・

カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言
   日本経済新聞出版社 [著者]日経ビジネス=編 [定価]762円+税 [読了日]7/16
 【概要】「一流の条件は“しつけ”や“掃除”にあり」(日本電産・永守社長)、「何が正しいかが先、損得はその後」(ドトール
   コーヒー・鳥羽会長)。テレビ東京の『カンブリア宮殿』から68人の社長の「金言」を一冊に集約。
  【寸評】『カンブリア宮殿』は毎週楽しませてもらっていて、過去2冊、ダイジェスト版が発刊されている。今回はその2冊
   から更にチョイスしてまとめた形になっている。各社長との対話が3ページほどで紹介されているので、携帯して空き
   時間に読むのには有用。幾つかの役に立つ事が語られている。

達人に訊け! 新潮文庫 [著者]ビートたけし [定価]438円+税[読了日]7/11
 【概要】「達人」それは常人の及びもつかぬことを成し遂げた偉人のことである。ムシにもオカマがいる!? 抗菌グッズは
   体に悪い!? 5年もかけて1本の注射針を開発!? 億単位のカネをかけた勝負に勝った!? 20年待ってやっと仕事をもら
   えた!? 達人だけが知る裏話と、彼らがたどった驚きの半生を著者が聞き出した!
  【寸評】著者は会話が上手い。10人の豪華な達人と非常に興味のわく内容に盛り上げて語り合っている。業界の裏話、
   インパクトのある事実等、今まで知らなかった世界に楽しく触れさせてもらえ、勉強になった。著者自身も、かなりの
   達人だと思う。

あなたは会社から求められていますか?-抜け殻社員-
   日本経済新聞出版社 [著者]日経ビジネス=編 [定価]667円+税 [読了日]7/11
 【概要】自分じゃできない症候群、疲弊した上司と育たぬ若手、王子とニート――。不満や孤独感を抱え、神経をすり減
   らした社員たち。彼らの元気を取り戻し企業の成長につなげるには? 
  【寸評】日経ビジネスの特集を編集した「あなたは社員から求められていますか?」と同時刊行された作品。派遣社員
   や下請会社への委託の繰り返しにより、空洞化してしまった企業の様や、部下を育てられない上司、成果主義の弊害
   等、幾つかの事例を取り上げて紹介している。今の世の中にマッチしていて読み応えがあった。

「戦う組織」の作り方 PHPビジネス新書 [著者]渡邉美樹 [定価]760円+税[読了日]7/3
 【概要】「優しさ」だけでは組織はいずれダメになる! 厳しくもやる気みなぎる「戦う組織」の作り方を、ワタミのトップ
   が本音で熱く語る。
  【寸評】著者は社長を退き、サポートしながら後進を育成していく決意をしたとの事。経営者としてどう組織を創り上げて
   いくのかというグランドデザインから、リーダーを目指す人に求められる能力、そして部下一人ひとりとの具体的な接し
   方まで、組織の創り方、動かし方を語っていて説得力があるし、敬服する。少しでも活かさなければ・・・

全1192試合 V9巨人のデータ分析 光文社新書 [著者]小野俊哉 [定価]800円+税[読了日]7/3
 【概要】巨人がV9を達成できたのは、王貞治・長嶋茂雄のON砲が打ったからだ、との意見は根強い。しかし、相手より
   ひとつでも多く白星を重ねて、リーグ最高勝率を収めるためには、ONが長打を放つにも打ち方があったはずであり、
   ONの活躍以外にも何か必勝法があったはずである。それはどんなものだったのか? V9固有のものなのか、それと
   も野球普遍の法則なのか? 「奇跡」とまで呼ばれたV9巨人の全スコアを、現代の視点から詳細分析。川上監督が
   目指した≪野球≫の実像に迫る。
  【寸評】本書は巨人ファンにとっては実に面白いのでは?私の世代でもV9の時代は知らない伝説の世界である。その
   時代と07,08年の原巨人と比較したり、緻密なデータ分析により、造詣深い解説をしてくれ、感銘させられる。V9前後
   を9年単位でくくってみると他のくくりでみても実は巨人が1位だが、2001〜2008年の8年では1位:阪神、2位:中日、3
   位:巨人である。但し、今年、巨人が阪神を7.5ゲーム、中日を2ゲーム引き離して優勝すれば、2001〜2008年の9年
   でも巨人が1位となる。中日が上昇気流で手強いが、何とか3連覇を達成してほしいね。

最強国家ニッポンの設計図 / ザ・ブレイン・ジャパン建白 小学館 [著者]大前研一
   [定価]1,500円+税[読了日]6/27
 【概要】一院制と国民投票を導入する政治システム、産業発展と地方復活を実現する道州制、所得税、住民税、相続
   税・贈与税をすべてゼロにする全く新しい税制、アクティブで安心できる老後を可能にする新・2階建て方式の年金な
   ど、既存の政党や政府、論客とは全く異なる国家ビジョンを語る。
  【寸評】大前氏のアイデアをいつも斬新である。社会人になって著作を何冊か読んでいるが、少しは実際に政策に取り
   入れてみたらどうかと思う。所々難しい記述があるが、学ぶ事が多い。日々学習しないとね・・・

歌舞伎町シノギの人々 宝島SUGOI文庫 [著者]家田荘子 [定価]457円+税[読了日]6/20
 【概要】歌舞伎町バラバラ殺人犯のヤクザの妻・サクラは言っlた。「こんなに働いていない人の多い街って、ないよね。…
   …なのに1日何万も作っちゃう」「図々しくて、神経強くて。お金なんか持って、この街に来ちゃダメだよ。ハイエナがたく
   さんいて、潰されるんだから」。風俗嬢、ヤクザ、ホスト、高利貸し、キャッチetcを著者が、自らの原点の街・歌舞伎町で
   シノグ人々を追う。取材に2年以上かけた労作の文庫化。
  【寸評】「極道の妻たち」の著者が歌舞伎町の人達を連鎖的なつてでインタビューし、赤裸々に彼等の生き様を伝えてく
   れる。歌舞伎町での世界が知れるが、様々な世界が交錯し、そこで生きる事は何て大変な事か・・・文庫本のフレーズ
   に”楽しめる480円”とあるが、480円はお値打ちかと思います。

財務3表一体分析法 朝日新書 [著者]國貞 克則 [定価]780円+税[読了日]6/13
 【概要】ベストセラー『財務3表一体理解法』の第2弾。財務3表の数字を少し加工するだけで会社の経営状況が簡単に
   わかる「秘伝」を伝授する。
  【寸評】前作の『財務3表一体理解法』が余りに分かり易く素晴らしい内容だったので、すかさず購入して拝読。財務諸
   表のどこを見れば的を得た分析ができるかを様々な事例を見せて解説してくれている。前回よりは難しいかな。
   連結の加算の仕方は非常に分かり易かった。有益な書である事は確かです。


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