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66.ウォーリー WALL・E (2008年米)<4.0> 
 [監督]アンドリュー・スタントン
  [出演]<声の出演>ベン・バート、エリサ・ナート、ジェフ・ガーリン、フレッド・ウィラード
  [時間]103分
 [内容]人類が新たな入植地を求め、宇宙へと去ってから長い年月が経つ29世紀の地球。そこでは700年間、一体のゴミ
    処理ロボットが人間たちの残したゴミを独りで黙々と片付けている。そのロボットの名は”ウォーリー”という。長い年月の
    中で、次第に感情が芽生えていった彼は、ゴミの中から宝物を見つけてはコレクションする事をささやかな楽しみにして
    いた。そんなウォーリーの前にある日、ピカピカのロボット“イヴ”が現われる。彼女の気を惹こうとコレクションの1つの
    “ヒョロっとした植物”を見せるウォーリー。だがその瞬間、イヴは動かなくなり、宇宙船にさらわれてしまう。実は、彼女
    には地球の運命を左右する重大な秘密が隠されていた。ウォーリーはイヴを救うため、未知なる宇宙へ旅立つのだが。
  [寸評]人類に見捨てられた地球で700年の間、コツコツと働き続ける孤独なゴミ処理ロボット“WALL・E(ウォーリー)”の
    健気で純粋な姿を綴るディズニー/ピクサー製作のファンタジーアニメ。我が家にとっても待望の作品で、公開日初日に
    妻子と鑑賞。予告編からだと“イヴ”は可愛らしくないし、”ウォーリー”は寡黙で、宇宙に旅立って、どんな展開をするの
    か、期待できるのか猜疑心があった。前半の地球での”ウォーリー”の仕草はなかなか微笑ましく“イヴ”を救出しに宇宙
    に出る所から俄然面白く、ひきつけられる。宇宙船での人類の姿は正に米国ならではの発想に思え、笑える(メタボを
    意識せざるをえない私が言うのも気がひけるが・・・)し、無愛想に見えた“イヴ”が良いキャラとなってくる。本作品の
    メイン・テーマは昨今話題の環境問題である。資源の活用、ゴミの廃棄等、適切に行っていかないと、冒頭のようなシー
    ンが起こりうるかもしれない。宇宙船での様相にならないよう、人間はしっかりと直にコミュニケーションを取らないといけ
    ない。色々な警鐘を提示して考えさせられ、更にホロリとさせてくれるので、家族で観るにはオススメの作品です。

67.K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 (2008年日)<4.0> 
 [監督]佐藤嗣麻子
  [出演]金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼、高島礼子、本郷奏多、鹿賀丈史、益岡徹、大滝秀治
  [時間]137分
 [内容]1949年、第二次世界大戦を回避した日本の都市、帝都。そこは、19世紀から続く華族制度により極端な貧富の格
    差が生まれ、ごく一部の特権階級が富を独占する社会となっていた。折しも巷では、そんな富裕層だけを狙い、鮮や
    かな手口で窃盗を繰り返す怪人二十面相、通称“K-20”が出現し世間を騒がせていた。ある日、サーカス団に所属す
    る天才曲芸師・遠藤平吉は、見知らぬ紳士から羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子と名探偵・明智小五郎の結納の儀を写真
    に撮ってほしいとの依頼を受ける。しかし、それは二十面相の罠で、平吉は二十面相として逮捕されてしまう…。
  [寸評]江戸川乱歩が生み出した希代のダーク・ヒーロー怪人二十面相を巡る様々な謎をユニークな解釈で解き明かす
    劇作家・北村想の同名ミステリーを映画化した冒険活劇。「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフの製作らしく、レトロな
    帝都の雰囲気や、第二次世界大戦を回避した別次元の世界を舞台にしている所が斬新でなかなかよい。金城武の軽
    快な動き、松たか子がアニメキャラのごとく茶目っ気のある演技を見せてくれる。おふざけシーンが時折あり、ツッコミ
    どころもあるが、冒頭から最後まで飽きずに楽しませてくれる程よい娯楽作品といえる。最後のオチ(二十面相の正
    体)は、そうきたか?(読めなかった・・・)ラストの平吉と葉子の会話は「ルパン三世 カリオストロの城」ではないか!
    アニメからパクルとはね・・・本作品はアニメで描いてもよかったのかもしれない。金城武の演技とCGの技術で実写化
    した、という事かな。劇場公開初日に佐藤監督が続編の製作を宣言した模様。本作品のトーンを維持して、次回も楽し
    ませてくれると良いが・・・