プロ野球歳時記 文藝春秋 [著者]永谷脩 [定価]1,429円+税 [読了日]12/31
【概要】球界は激震している。しかし、昔から何人もの素晴らしい男たちが、今日もプロ野球で戦っている。野球が好きで
勝負にかけている男たちのエピソード。
【寸評】大晦日に紅白歌合戦を見ながら、スパートをかけて読了した。今月は野球関係を3冊集中して読んだ。何人もの
選手・監督・コーチのエピソードが描かれている。素晴らしき野球人達がこれだけいるんだ。まだまだ野球界を盛り上げ
っていってほしいね。
会計心得 日経ビジネス文庫 [著者]金児昭 [定価]648円+税 [読了日]12/25
【概要】「数字を社内の共通語にする会社は絶対に勝ち残る」−儲かる会社には理由があった。経理・財務一筋38年、
信越化学の「会計マインド」の権化とも言える著者が「強いビジネスに必要な会計の心得」という視点で整理した
超実践的入門書。
【寸評】コストに対して、どの部門の社員も強く意識していなければならない、という事を著者が分かりやすく解説して
くれる。会社に長く勤めていると、コストの重要性が段々良く分かってくる。まだまだ多くの事を勉強しないといけな
いね。
2005年版プロ野球を10倍楽しく見る方法 日本文芸社 [著者]江本孟紀 [定価]900円+税
[読了日]12/25
【概要】2004年のスト騒動、落合中日のセ界制覇の裏側、堀内巨人、岡田阪神の敗因等を厳しく斬り、2005年以降の
プロ野球の展望・著者の思いを綴ってある。
【寸評】1982年に第1作目の「プロ野球を10倍楽しく見る方法」が登場してから、何冊も著者の本を愛読している。1年に
1冊は購入して読むのが恒例化している。巨人への厳しい言葉には共感する。堀内監督に変えた意味が未だに分か
らない。巨人への関心が薄らいでもプロ野球が好きな私にとっては、来年の盛り上がりを願うところ。
イチロー革命 早川書房 [著者]ロバート・ホワイティング [定価]2,000円+税 [読了日]12/20
【概要】2004年にメジャーで年間最多安打記録を樹立したイチロー。彼の快進撃は、パワーとホームラン偏重の大リー
グに一大変革をもたらし、野球本来の面白さをアメリカ人に再認識させる事となった。しかし、イチローを始め、野茂・
松井秀喜など海を渡った日本人プレーヤー達の素顔は驚くほど知られていない。彼等は何故祖国を捨ててメジャー
行きを決意したか?大リーグの経験で何を得たか?
【寸評】15年前に著者の日米の野球観の違いを綴った「和をもって日本となす」を読んだが、非常に面白く印象深い本
だった。イチローを中心に日本人メジャーリーガーにスポットを当てた本作品も面白い。イチローの少年時代の詳細
を始めて知った。正に「巨人の星」の世界である。あれぐらいの努力と天性がないと、あそこまではなれないんだな。
今やヤンキースの4番も務める松井のエピソードも面白い。今後、松坂・上原・高橋・・・と続々とメジャーリーグに流出
していくだろうが、日本プロ野球は一体どうなる??
行列のできる丸山法律塾 小学館文庫 [著者]丸山和也 [定価]500円 [読了日]12/13
【概要】「行列のできる法律相談所」に出演中の型破り弁護士の著者が”アッ”と驚く法解釈で、男女トラブルや金銭トラ
ブル、隣人トラブルなど、様々な相談事&疑問を解決する超実践的法律解説書。
【寸評】著者を実はほとんど見た事がないのだが、先日、母親が著者の講演会に行った事もあり、本書に目を付け読ん
でみた。「二階の住人の騒音に対して慰謝料が取れるか?」「レンタルビデオの延滞金は莫大な金額になっても支払
わなければならないか?」等、興味深いQ&Aが幾つか掲載されているので、読んでいて面白い。基礎的な法律の知
識は生きていく上には備えていたいものだと思う。
13階段 講談社文庫 [著者]高野和明 [定価]648円+税 [読了日]12/4
【概要】犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調
査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に蘇った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかな
い。二人は無実の男の命を救う事ができるのか?
【寸評】職場の同僚・同期のK君が「この本、面白いよ」と貸してくれて読んだ。01年に江戸川乱歩賞を受賞した本作品は
確かに非常に面白い。次の展開が気になってしかたない内容で、結構上手く話が組み立てられている。最後の最後に
「そうだったのか・・・」と思わせてくれる。死刑執行の手続きの実態・刑務官の辛さもよく分かった。手軽に読める快作で
しょう。
レディ・ジョーカー(上)(下) 毎日新聞社 [著者]高村薫 [定価]各巻共1,700円+税 [読了日]11/25
【概要】「要求は20億。人質は350万klのビールだ。金が支払われない場合、人質は死ぬ。話は以上だ。」 一兆円企業・
日之出麦酒を狙った未曽有の企業テロはなぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描く。
【寸評】1999年の「このミステリーがすごい!」のベスト1作品で、かねてから読みたいと思っていた。文庫化されるのを待
っていたが、その気配のない中、映画化がされ12/11より公開されるため、映画を観るまでに読破する事にした。上下
各440P(各P2段)の大作で読むのに丸1ヶ月かかってしまった。グリコ森永事件をヒントに書かれた本作品は犯人側・
警察側・企業側・新聞社側という幾つかの視点から描かれ、多くの登場人物が絡み合う。下巻は犯人側の描写が思っ
たより少なくなり、ラストも想定していない展開となった。じっくり読んでいかないと分かりにくくなる面もあるが、奥の深い
読みがいのある作品であった。映画ではどのように描かれるのだろう?結構難しいと思うが・・・
人間というもの PHP文庫 [著者]司馬遼太郎 [定価]495円+税 [読了日]10/30
【概要】「竜馬がゆく」「坂の上の雲」などの膨大な作品群によって、人間とは何か、日本とは何かを問い続けた国民作家・
司馬遼太郎。数ある名作・名随想の中から、混迷の現代社会を生きる上での道標とすべき珠玉の言葉を、テーマ別に
よりすぐった箴言集。
【寸評】6年程前までは司馬作品をよく読んでいた。本書には本当に素晴らしい箴言が綴られている。ご無沙汰していたが
再び、司馬作品を読みだそうかと思う。本書には「播磨灘物語」の箴言が登場していた。昔、研修で一緒だった人が「播
磨灘物語」を絶賛していたのでいつか読みたいかと思っていたが・・・。年末頃から「義経」「播磨灘物語」「坂の上の雲」
を1年計画で読む事を決意した。
12歳までに身につけたい お金の基礎教育 講談社文庫 [著者]横田濱夫 [定価]470円
[読了日]10/26
【概要】幸福な人生を送るためには健全な金銭感覚を身に付ける必要がある。お金の罠と経済の仕組みを解き明かし
悪徳商法から身を守る方法、我が子がカツ上げにあった時からの対処法から銀行・証券との付き合い方まで分かり
やすく解説している。親と子で学ぶ超経済入門。
【寸評】「はみ出し銀行マン」シリーズの著者の本を久しぶりに読んだ。本書は至って当たり前の事を書かれているのだが、
非常に有益な内容である。世の中には当たり前の感覚が分かっていない人が多すぎる・・・それには子どもの時から
金銭感覚をしっかり身に付けさせる事が重要である、と力説している。本当に最もな事で我が家の一姫二太郎にもしっか
り教育していかねばならないと強く認識した。USJへ旅行している最中(ホテル・アトラクションの待ち時間)に読んだの
で、金銭の事で子どもに厳しく説教してしまう場面もあった。
スター・ウォーズ・レジェンド 扶桑社 [著者]河原一久 [定価]1,400円+税 [読了日]10/22
【概要】SW字幕監修者がおくるシリーズ5作品にまつわる製作裏話と来年公開の「エピソード3」の展望!日本でSW界を
支えてきた5人へのインタビューも掲載。
【寸評】著者は私より1歳上の同世代。同じ時代にS.Wの世界の魅力に引き込まれた同士が書いた楽しい本である。9/23
に発売された旧3部作のDVD-BOXを堪能して間もない時期に読んだので、ますます来年の「エピソード3」が楽しみに
なってきた。「エピソード5:帝国の逆襲」の成功がなければ、「ロード・オブ・ザ・リング」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
の作り方はなかった・・・というのは納得できる。「ロード・オブ・ザ・リング」は凄い作品だと思うが、S.Wは私にとってやは
り金字塔のような作品である事を再認識した。
ああ、腹立つ 新潮文庫 [著者]阿川佐和子ほか [定価]400円+税 [読了日]10/19
【概要】映画の上映中に何故騒ぐ?絶叫するアナウンサーはスポーツ中継の邪魔!等々、巷に氾濫する”許せない出来
事、理解できない現象”をバッサリ斬る64名の辛口コラム。
【寸評】同調・共感できる事柄を吐露しており、読んでいて気持ちがいい。現代社会のおかしな点・不条理な点を浮き彫り
にもしている。すきま時間に手軽に読むのによいかと思う。類似本に「ああ、恥ずかし」があるのでまた読んでみよう。
日本にしかできない技術がある PHP文庫 [著者]片山修 [定価]533円+税 [読了日]10/18
【概要】バブル経済の崩壊以降、日本の成長神話は崩壊し、安い労働コストを武器にアジア諸国の新興企業が台頭し、こ
こ数年、日本のお家芸であるモノづくりに対する危機感は高まるばかりだった。しかし、日本のモノづくりは死んでいず、
「日本にしかできない技術」が経済を牽引しだしたのである。「新・技術立国ニッポン」の最前線を追ったドキュメント。
【寸評】製造業の11社のトップが自社の強味、経営理念等に語っている。やはりトップに立つ人は物の考え方・取り組みが
違う。そして実力に裏付けられたプライドが感じ取れる。「日本電産」の永守社長、「村田製作所」の村田社長のコメント
は非常にインパクトが大きかった。
コーチング-言葉と信念の魔術- ダイアモンド社 [著者]落合博満 [定価]1,500円+税 [読了日]10/11
【概要】落合自身が初めて受けたコーチングの経験や自分が教えた経験をもとに、人を育て、伸ばすための心得やコツを
一般ビジネスに当てはめて説いている。
【寸評】私が物心ついてプロ野球を観戦して以来、最強の右打者は落合でしょう(好きなのは原だが・・・)。その彼が今季
中日の監督に就任し、トレード・FAによる補強を行わず、「現有戦力の底上げが出来れば優勝出来る」と公言し、見事
に実行した。2001年に横浜の臨時打撃コーチを務めた経験を基に、彼の指導方針が本書に書かれている。今年、その
通り実践したという事だろう。内容は一般社会にも通じており、参考になる事が多い。
そのヒット、ワケあり 日経ビジネス文庫 [著者]日本経済新聞社編 [定価]648円+税 [読了日]10/8
【概要】いまひそかに牛乳屋さんの宅配が復活、食卓に骨なし魚が増えてきた、100円ショップは脱100円を目指す、気が
つけばJRの方が私鉄より安い−。記者が街で集めてきた消費とサービスに関するとっておきのネタからヒットのカラク
リを解読。
【寸評】何故このサービスが流行っているのか、今世の中はどんな嗜好傾向があるのか、DVD・ハンバーガー・シネコン・
旅行等、個人的にも興味深い事を幾つか取り上げて解説してくれている。最近のトレンドを理解できる手軽な本である。
大学の入学金返還、婚約指輪、三世代旅行ツアーの話が印象深かった。
子どもが危ない! 集英社 [著者]江原啓之 [定価]900円+税 [読了日]9/29
【概要】「最近の子どもは何だか怖いわ」「最近の子ども達は昔とは違う」社会では、毎日のように報じられる子どもの犯罪
に、ただ狼狽するだけで何一つその原因を明確に理解できていない。今、子どもたちを守るために何をすべきかを著者
が訴える。
【寸評】馴染みの本屋に並べられているのを見て突発的に興味を引き購入して読んだ。TV東京系の深夜の人生相談番
組に著者が出演して霊視を行っていた。著者は「スピリチュアル・カウンセラー」で本書でも、精神・魂について言及され
ているので少しばかり違和感を感じるが、子育てについて非常に納得させられる事を幾つか述べている。子どもは本当
にかけがえのない宝だ。我々は子どもの人格を尊重してあげ、良き精神的支柱になってあげなければならない。まっと
うに生き抜けるよう成長してくれる事を切に願う。
これから5年・かしこい頭の使い方 PHP文庫 [著者]堀紘一 [定価]495円+税 [読了日]9/26
【概要】成功する人は、どんな頭の使い方をしているのか?当代きっての経営コンサルタントの著者が、ビジネスにおける
成功の要締について語っている。「強い会社はこうしてつくれ!」を文庫化に伴い改題。
【寸評】差別化を図る発想は誰にでも出せる、と著者は説く。「違う業界・外国の成功手法を自社にあてはめる」「今までやっ
てきた事の順番や組み合わせを変えてやってみる」といった発想が大切との事。30代後半で考える力の弱い私にとって、
本書は勇気付けられる面もあるが、大いに危機感を感じさせてくれる。
このまま滅ぶな、日本 論戦2004 ダイアモンド社 [著者]櫻井よしこ [定価]1,400円+税 [読了日]9/16
【概要】崩壊する教育、戦略なき外交、国民を裏切り続ける小泉改革、何故日本は真っ当な国家に脱皮する事ができな
いのか・・・著者が「週刊ダイアモンド」等で綴っている論評2004年度版。
【寸評】著者の指摘は鋭いので、本書を始めとして幾つかの論評を読むと自国の行政や将来に対して不安を感じ、憂鬱に
なってくる。特に国立大学法人化問題や文科省と国立大学病院のやり取り、5月の小泉首相の訪朝の話は興味深かっ
た。文科省が、あんな権力をふりかざしているのは興ざめがする。著者が指摘するように教育体制を改悪化する事だ
けはやめてほしい。
静かに 健やかに 遠くまで 新潮文庫 [著者]城山三郎 [定価]438円+税 [読了日]9/9
【概要】著者は若い頃から箴言の魅力に惹かれ、生きる指針としてきた。その著者の作品にも、心に染みる会話や、じっく
り考えさせられる文章が数多くある。ビジネスマンの琴線に触れる言葉を集大成。
【寸評】会社に入った頃、よく著者の小説・エッセイを読んで勇気付けられた事がある。本書は著者の作品の中から名言
を集めたもので「ライフ・スタイル」「家族の姿」「会社生活」「世渡り」等に分類されている。心に染みたり、説得力のあ
るものが多い。肝に命じたり、勇気付けられる。何だか再び著者の未読作品を幾つか読んでみたくなった。
灰夜 新宿鮫Z 光文社文庫 [著者]大沢在昌 [定価]648円+税 [読了日]9/5
【概要】目覚めた時、鮫島は闇に包まれた檻の中にいた。自殺した同僚・宮本の七回忌に彼の故郷を訪れた鮫島は宮本
の旧友に会った直後、何かが動き出し、拉致をされてしまったのだ。麻薬取締官、県警の刑事、地元の暴力団等の底
知れぬ力の影が交錯する中、見知らぬ街で孤立無援の闘いが始まった・・・
【寸評】シリーズ第7弾。文庫化される度に読むのが楽しみなハード・ボイルド。今回は舞台が新宿ではなく、恋人・晶や上
司の桃井課長が登場しなく(シリーズで初めて)、異郷の地での孤軍奮闘となる。しかし、面白さは十分保たれていて読
み出すととまらない。犯人の関係が複雑ではあったが楽しめた。8作目の文庫化が楽しみだ。9作目の新書版はいつ出
るのかな?
プロジェクトX 新・リーダーたちの言葉 文藝春秋 [著者]今井彰 [定価]1,238円+税 [読了日]8/25
【概要】挑戦者たちに「無理」という言葉はない。失敗・挫折・四面楚歌・孤独・・・絶望的な状況から成功をつかんだ名もな
き男たちの「珠玉の名言」。
【寸評】本書の前作を読んで感銘してから、NHK放送の「プロジェクトX」を見るようになり、見るたびに感銘を受けている。日
本の政治は憂うところが多いが、この放送で取り上げられている人達の生き様を見ると「日本人も捨てたものでない!」
と思える。本書の掲載内容の半分は放送を見ているので、「あの感動をもう一度」という感じであったが、どの内容も
勇気付けられる。少しは見習わないといけないのだが・・・
三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日 朝日新聞社 [著者]三谷幸喜 [定価]1,100円+税 [読了日]8/19
【概要】脚本家である著者が普段どんな暮らしをして、どんな思いで本を書き、どんな思いでオンエアを観ているのかを
包み隠さず伝えてくれる。
【寸評】朝日新聞に200回以上連載されているコラムの単行本第3弾。今や著者の大ファンである私にとって、このコラム
を楽しく読んでいる。今回の第3弾は現在放映中の「新撰組」(観ていないのだが・・・)の脚本を書く苦悩・喜び、あの
名作「王様とレストラン」がDVD化された際の出演者とのエピソード等が綴られており、面白い。まだまだ連載を続け
てほしいものだ。
日本の真実 小学館 [著者]大前研一 [定価]1,470円+税 [読了日]8/16
【概要】平成維新を唱え続けた著者が、満を持して放つ衝撃の「日本論」。現実を直視して、処方箋を探る。
【寸評】日本の厳しい現実を著者より説明されて、寒気がして、政治家達に怒りを覚えてしまうが、その中で立て直す術を
提言している。著者が昔より繰り返し提言している内容もあるが、年金問題は深刻な事を痛感する。お金の運用等を真
剣に考えて自分達の身をしっかり守る術を身に付けないとマズイかもしれない。