麻姑掻痒(まこそうよう) |
意味:かゆいところに手が届く。物事が思うままになることのたとえ。 |
神仙の王遠(おうえん)が蔡経(さいけい)の家に降臨した時、仙女の麻姑も訪れた。
麻姑は鳥のような爪をしていた。蔡経はこれを見て心の中で、
「背中がかゆい時、あの爪で背中を掻いてもらったら、さぞ気持ちよかろう」
と考えていると、もう王遠が蔡経が心の内で思うことを知って、蔡経を引っ立てさせると、鞭で打たせた。
「麻姑どのは神人であるぞ。そちはなにゆえ爪で背中を掻きたいなどと思うたか」
と言った。背中を鞭打たれているのは見えるのだが、鞭を打つ人の姿は見えない。王遠は蔡経に言った。
「わしの鞭はそうそう頂戴できるものではないのだぞ」
【神仙伝・麻姑】