顰に倣う(ひそみにならう) |
意味:ことの良し悪しを考えず、やたらに人まねをすること。また、他人にならって物事をするのを謙遜していう言葉。 |
春秋時代、越の国に西施(せいし)という美しい女性がいた。西施は中国歴史上の四大美女の一人である。 会稽山(かいけいざん)の戦いで呉に敗れた越王勾践(こうせん)から呉王夫差(ふさ)に献上され、寵愛を受けた。 夫差が彼女の美しさにおぼれて、政を怠っている間に、呉は越に滅ぼされたと伝えられている。
西施は胸が痛む病があり、眉をひそめて村里を歩いていた。
同じ里に一人の醜い女がいて、西施が眉をひそめる姿が美しいのを見て、戻るとき、
西施のまねをして、胸元を押さえ、眉をひそめて、村の中を歩いた。
その里の金持ちは、これを見ると、すぐにドアをぴったりと閉め出てこず、貧乏人は妻や子を連れて遠くに逃げだした。
この醜女は西施が眉をひそめた様子が美しいということはわかったが、なぜ眉をひそめた姿が美しいのかはわからなかった。
【荘子・天運】