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トライアルに随分とのめり込み、ブレーキをマグラに換え、水に弱いA・トランに見切りをつけ、リムにサンディングを施すようになってくると次に問題になってくるのが「ブレーキシューの減りが早い」事でしょう。 とくに「ツートラ」などで一山を下ってしまうと1日でなくなってしまうという悲惨な話もあります。 トライアル専用のシューはピンク色の安価な物でも2個で2000円ほどしますし、MONTYのマリウスなどはその倍ほどの値段です。 お財布が寂しくなったらシューの自作の時期ですね。 |
ウレタンブレーキシューの自作 |
今や公式競技の選手の間では常識となったシューの自作ですが、お気楽思考の私(いそし)も公式戦にはエントリーしないものの、この業界に長く居座っていると何処からともなく左の挿絵のような棒状にカットされたウレタンが手に入ります。 このようなウレタンを使えば誰でも簡単に自作できてしまいます。 ちなみに入手ルートが無い方は「大阪のカタヤマサイクル」というトライアルに積極的なお店で通信販売してますので購入してみても良いかもしれません。 また、上級者になるとウレタンの塊を手に入れてシューの大きさに切り出して自作している方も居ます。 |
台座の準備 |
さて、作り方ですが基本的な作り方をここでは紹介します。 また、今回は自作しやすいショートシューを使って作ってみました。 まずは磨り減ったシューの台座を捨てずにとっておきましょう。 そしてプライヤーや切れが悪くなったニッパー等でこじるように台座から磨り減ったシューを無理矢理に剥します。 (挿絵の右側の台座参照) 次に台座の下準備です。 シューを剥すと周りが凸になっているのでヤスリやハンドドレッサー等を使って削り落とします。 凹部分と高さが同じになったらOKです。 ここで注意しないといけないのは「あまり削り過ぎない事」です。 真中の穴が浅くなってしまい、ブレーキ本体に取り付けできなくなってしまうかもしれませんから… (挿絵の左側の台座参照) |
ウレタンの準備 |
台座の加工ができたら台座の長さに合わせてウレタンを切り出します。 切り出したウレタンを先に準備した台座にとりあえず合わせてみて、サイズが適当かを確認したら、真中の取付穴の部分にマーキングをして6ミリ程度のドリルで少しだけ掘っておきます。 これは後の接着の時に取り付け穴が接着剤で埋まってしまわないようにする「おまじない」と先ほど申し上げた本体に取り付かないというトラブルを防止するためです。 (挿絵のウレタン参照) |
接着前処理 |
シューの加工もできたところで接着面を細かなペーパーやドレッサー等で仕上げます。 台座はヤスリのキズが浅くなる程度まで、ウレタンは表面がキズで曇る程度でOKです。 根気は要りません。 適当で良いです。 そして接着前には揮発油で脱脂します。 今回はプラモデルを作っていた頃から自宅にあった「うすめ液」を使いましたが「マニキュアの除光液」でも良いですし「ブレークリーン」でもOKです。 要は脱脂さえできれば… |
接着 |
ようやく接着できます。 使用する接着剤は「ゼリー状瞬間接着剤」が一般的なようです。 (最上部の挿絵参照) 台座の方に適当な量を塗り、準備したウレタンを貼り付けます。 ゼリー状瞬間接着剤は完全に貼り付いてしまうまでに少し時間に余裕がありますので位置決めも落ち着いてできるはずです。 また、接着剤が多少はみ出てしまっても構いません。 後でカッターナイフ等で削れば良いですから… さて、接着剤が固まってしまう前にバイス等で圧着しましょう。 ウレタンと台座の間の空気がなくなるように確認しながら締め付けます。 ありがたいことに透明なので確認しやすいですね。 |
寝かし&仕上げ |
今回は6個の台座を準備しましたので、これまでの作業を6回繰り返します。 2個目を作っている間にはバイスに挟んだ1個目のシューが適当に貼り付いているはずです。 こうして作ったシューに重石を載せて一晩程度寝かします。 実際にはバイスに挟んだ時点で充分に貼り付いていると思いますが、なにせ命を預ける部品ですから念のためです。 いよいよ仕上げです。 完全に乾いたシューの周りにはみ出た接着剤を削り落として、ブレーキ本体に取り付けてみます。 もしも奥まで入らなかったら細いドライバー等で取付穴の中をこじってみてください。 接着剤のカスがポロっと落ちてきたら、おそらく取り付けることができるようになっていることでしょう。 (おまじない効果) |
完成! |
「自作ウレタンブレーキシュー」の完成です。 これでしばらくはシューの心配は無用になりました。 次回は何年後に作るのでしょう? 最後に注意事項ですが、このページをご覧になって同じ方法で自作されて「万が一にも」自作したブレーキシューが原因で事故に遭われたり怪我をされても私(いそし)に損害賠償等の請求や訴訟を起こさないよう、個人の責任において自作されるようにお願いいたします。 |
追記> ここで紹介したショートシューに引き続き、ロングシューの製作ページも追加しました。 |