HOME>セッティングの小技>フロントホイール軽量化
特に不満を感じることも無く使用してきたこれまでのフロントホイール。 旧型ながらXTRのハブに#15−16番のバテッドスポークにアルミニップル。 決して重くは無く、どちらかと言うと軽い部類に入っていることでしょう。 ところがリアホイールを新しく組み直した際に前後のハブやリムの色が違ってしまったのが、どうにも気に入らなかったので組み直すことにしました。 というわけで、どうせなら現状よりも軽くしてしまおうという魂胆です。 |
下部に追記しました |
部品の調達 |
まずは部品の調達から。 交換理由が「リアとの色を合わせたい」ということなのでハブ、リムともに黒を調達しなくてはなりません。 こだわりって面倒ですね… そこで調達したフロントハブはアメリカンクラシックのロード用のもの。 重量はわずかに66gです。 このなんとも貧弱そうなハブは他人には薦められないほど頼りないです。 なにせシャフトが貫通していないのです。 おかげでシャフトの両端を手で持ち回してみると、左右が独立して回ってしまいます。 おそらく体重のある方やパワーライディングの方などはすぐにでも壊してしまうことでしょう。 スポークはこれまでと同じ#15−16番のバテッドです。 フランジの径がXTRとは違うので同じ長さでは使えず、新たに購入しています。 リムは特にこだわりがあったわけではなく、黒で適当な幅があって軽いものなら何でも良かったのですが、これまで使用してきたものと同じARAYAのDH915の黒にしました。 たまたま見つけたのですが重量も分かってますし、それにしておきました。 |
ところが… |
ところが、手元に届いたリムが私のところにあるものよりも重いのです。 挿絵左(シルバー)は468g、挿絵右(ブラック)は490gです。 なんということでしょう、22gも重いとなると、下手をすれば軽量化どころか重量化になってしまいます。 しかし、同じ銘柄のリムなのにこんなにも重量差があるとは思いもよりませんでした… もしかして黒のアルマイトは透明のアルマイトよりも重いのでしょうか? |
原因は… |
両方のリムをよく見比べてみると… 原因がわかりました。 手元にあったものと購入したものではアイレット(はとめ)の皿の大きさが違うのです。 これ1つで1g以下の重量差だったとしても32個となれば22gもうなづけます。 そういえば、ある自転車屋さんで「PL法が施行された時に各リムメーカーのリムが品番(型番)を変更せずに重くなったことがある」と聞いたのを思い出しました。 それなのかもしれませんね。 (推測にすぎません) |
というわけで… |
しかたがないので、リアのリムに施した穴あけをフロントにもすることにしました。 購入時490g−穴あけ後476g=14g たったの14gしか軽くなりませんでした… しかしこれ以上、強度が下がってしまっても困るので、ここで諦めました。 ハブも随分頼りないですし、スポークもかなり細いですし、アルミニップルですし… |
完 成 |
組みあがりました。 これまで使用してきたホイールが770g、新しく組んだものは705gです。 その差65gです。 散々苦労して穴あけをした時間工賃を考えると泣けるような結果ですが、とりあえず軽量化を果たし、前後ホイールの色の統一化もできました。 |
その後… |
リムサイドがアルマイトのままでは使えないので、適当にサンディングしました。 まだ少し黒い部分が残っていますが、そのうちに無くなってしまうことでしょう。 そこで再度の重量計測です。 5g減りました。 やはりアルマイトを剥がすだけでも少しは軽くなるんですね。 というわけで、今回の軽量化は70gでした。 |
追 記 |
このホイールを組み上げて1年。 やはり超軽量ハブは長持ちするものではありませんでした。 ベアリングの玉が割れてしまったようでカタカタと異音がして、ガタがでてきました。 仕方がないので交換です。 (折れるよりもましな壊れ方でしたね) ところが… 懲りもせずにまたアメリカンクラシックのロード用のものを購入してしまいました。 今度の型は57gです。 これまで1年間使用してきたものよりも9g軽いです。 「次は半年かな〜?」なんて思いながらも組み上げました。 また壊れましたら追記するかもしれません… |
さらに追記 |
上記の追記をした時点でのFホイールは700gから9gマイナスの691gでした。 そして、さらに軽量化。 エコーのFリムを半値以下で手に入れたので交換しました。 出来上がったFホイールの重さにビックリ!663gです。 強烈に軽いですね、このFリム。 |
ホイールを組む前にFリム単体の重量も量っておきました。 実測442gです。 これだけの幅をもつリムがこんなに軽いなんて… よく見るとダブルウォールではなく、シングルウォール。 アイレット(はとめ)もありません。 そして切削による軽量化。 なんとなく軽い理由も分かります。 |
小技の紹介 |
小技のページなのに「量っちゃいました!」みたいな内容になってしまっているので、ここでようやく小技の紹介です。 「リム組みって難しい」と思っている方は多いと思います。 その通りで、決して簡単ではありませんが、まずチャレンジの一歩として紹介するのが「リムだけ交換」です。 これならスポークを編みなおす必要がないので一番難しいそうな部分を省略できます。 では、その方法を… まずはバルブホールを同じ位置に合わせて、これまで使用してきたリム(上)とこれから交換しようとしているリム(中)をテープなどで2〜3箇所固定します。 挿絵では3本が積み重なっていますが、これも小技の一つです。 こうすることにより、床に置いてもハブが浮いたままにすることができ、作業がしやすくなります。 固定したら、全てのニップルを取れてしまわない程度に緩めます。 (スポークのねじ山が見える程度まで) |
スポークがダランダランに緩くなったら1本ずつ下のリムに移動していきます。 この方法なら組み間違える心配はありません。 ただし、条件があります。 交換するリムは同じものか、同じ内径のリムに限ります。 スポークの長さを変えないのですからあたりまえですよね? 1〜2mm程度の違いでしたら場合によっては交換できるかもしれません。 もう一つ注意事項。 アルミニップルの場合はケチらずに新しいものに交換しましょう。 アルミニップルは耐久性に不安がありますので… (挿絵は6箇所ほど下のリムに移動させたところです) |
全てのスポークを移動させたら、固定してあったテープを取り外します。 そして新しいホイールになる部分だけを手に持ち、挿絵のようにスポークのネジ山が全て隠れる所までニップルを締めます。 おそらくこの時点ではまだホイールはガタガタでしょう。 そこでニップル回しで全てのニップルを同じ回数だけ締めこみます。 (おおよそ2〜3回転) それでもまだガタガタするようでしたら、さらに半〜1回転ずつニップルを締めこみます。 スポークがガタガタせずにある程度のテンションが掛かるまで行います。 ガタガタしなくなったら最初の平均化です。 極端にキツいニップルや全くテンションの掛かっていないスポークがありましたら、他のと同じくらいになるように緩めたり締めこんだりしてください。 |
ここからは振れ取り台で調整です。 振れ取り台を持っていない方は自転車に装着し、ブレーキシューとの隙間などを見ながら調整してください。 もちろん、精度はかなり落ちますので気になる方は振れ取り台を購入してください。 振れ取り台では縦振れ、横振れ、センター出しの調整をし、ご自分が満足できる程度まで調整してください。 あまり精度にこだわりすぎて各スポークのテンションがバラバラになるのも問題です。 そこそこの精度で、しかもテンションが均一なホイールが出来上がるのがベターです。 自信が無い方や理解できなかった方は迷わず、自転車屋さんに任せましょう。 このHPを参考にして組んだホイールで怪我をされても私(いそし)は一切の責任を持ちません。 自己責任でお願いします。 くれぐれも私(いそし)に損害賠償などの責任を追及しないようにお願いします。 |