愛知県碧南市 鷲塚の川端蓮成寺の本堂 もしかしたら碧南一古い木造本堂?

思い出半ズボン

鷲塚川端蓮成寺本堂

鉄骨に支えられた鷲塚「川端蓮成寺」本堂も建て替えとなり 姿を消す

壊される寸前の川端蓮成寺本堂

<特異な横縞模様の本堂は消失。坂道から見えたあの光景はもう見る事は出来ない。川端蓮成寺本堂の屋根が美しく弧を描く姿が白壁へと重なる情景。風化されていく現実とは裏腹に美しき存在は人の心に残る> 残念ながら碧南市は東海・東南海地震で被害を受ける地域に含まれている。近年、古い屋敷が取り壊されていくのは、地震対策が主な理由である。 幾度の地震にも耐えてきた家屋も今度来る地震には耐えられないとの判断だろう。 何本もの鉄骨に支えられてきた鷲塚「川端蓮成寺」本堂も遂に壊された。本堂を新築するためにである。旧本堂は白壁に均一なサイズの木製棒を配置し、一面横縞模様という特異な景観。低く垂れ込める軒先からまた別の屋根がより浅く飛び出すというつくりが歴史を感じさせた。 「川端蓮成寺」の本堂が消失した事は宗教的な歴史を重んじる鷲塚には実に大きな損失である。

たばこ屋があった頃

<池端蓮成寺前のたばこ屋は駐車場と成り果てる。かつて鷲塚一番の賑わいを見せた本通りもこれで一軒の店もなくなった。南東には「蓮如上人足洗いの池」が所在するが、池は昭和60年(1985)に埋め立てられ、面影もない> 鷲塚の「池端蓮成寺」南にあった煙草屋も遂に消えてしまった。曲がりくねった小道を行けば昔ながらの引き戸、低い軒先にたばこの真っ赤な看板が郷愁を誘う、 そんな風情ある光景も今はなし。このたばこ屋の名は『小串商店』。昭和35年(1960)の住宅地図にも「小串たばこ」として載っている。この小串商店前の道は、かつて岡崎・矢作橋へ向かう大浜道と呼ばれ、鷲塚一番の賑わいある通りだった。 芸者の置屋・床屋・魚屋・八百屋・銭湯が並んでいた時代もあった。最後の店がなくなった事により、この通りから往時を偲ばせるものは何もなくなった。 駐車場となった小串商店跡の南東、地元の人しか知らない小道を行けば、「蓮如上人御足洗の池」の石標が見つかる。 あまりに達筆な文字のため、私には側面の文字が読みとれなかったが、後日の史料から「文明初年頃蓮如上人此池に駐錫遊され各地を教化給へりと言う」、「鷲塚村」と刻まれているようだ。 蓮の花咲く小さな池だったというが、昭和60年(1985)頃に埋め立てられた。 今は石標のみが由緒を伝える池跡。蓮如さんの鷲塚も今は遙か遠い昔。

ヘボト自画像ヘボトの「胡馬北風(こばほくふう)」

六地蔵さんの前に猫

「六地蔵・六地蔵・割り箸」

鷲塚「遍照院」西南にある坂道、かつて鷲塚の港におかれたという常夜灯。当地に赴いたのは昭和31年(1956)。以来、昭和50年代末まで火袋に電灯が灯されていたという。 かつてこの通りは、大浜から岡崎へ向かう「大浜道」であり、鷲塚集落の中心となる本通りでもあった。同じ坂道にお地蔵さん達がズラリ並んでいる。 その数、12体。6体ずつ屋根の下、平行に佇んでいる。何故に六地蔵さんが2セット並んでいるのか? 謎である。右側の六地蔵さん傍らにはビニール袋の入れられた沢山の割り箸が奉納されていた。全部新品である。 新川「白山神社」と同じように箸にまつわる御利益があるのだろうか。これも謎である。 猫がしっかりとお地蔵さん達を守護するこの場所、ぜひ訪れて頂きたい。

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