愛知県碧南市 近未来的な世界が広がる 働く人達の「衣浦港」を訪れてみる
<ロードス島のヘリオス像か? はたまたアレクサンドリアの大灯台? 衣浦港岸壁に立つ巨大な円筒群は、古くから港を象徴する建造物。遙か彼方から見えるその姿は、港を守る巨人像たちのよう!?> 衣浦港に古くから建つ巨大な円筒群。 海上には、節足動物を模した建造物を従えている。円筒群を間近に見れば、恐怖に戦く事になるだろう。コンクリ色をして窓1つない姿は異様。 威風堂々の姿、遙か彼方の海からは、港を守る守護神のように見えるかも。これは遺跡だ! 未来人がこの場所で立ち尽くす円筒群を見たならば、きっと遺跡と認識するだろう。
<夜の船はロマンティック。停泊する船の電球がほのかに灯り、照らされる海面の揺らぎ。タバコを片手にハードボイルドを気取れば、君も海の男か> 夜の港は妖しくもあり、ロマンティックでもある。現在は関係者以外、立ち入る事が出来なくなった衣浦港。 しかしながら、公園に隣接する岸壁からは、唯一、港の景色を一望出来る。 闇夜の海に照らされる外国船。衣浦港の潮風は、碧南にある他の港とは違い、少しだけ異国の香りがする。 船の灯りに照らされる海を眺め、ひとり感傷的になるも良し。この場所は君をドラマの主人公にさせてくれる。
衣浦港は、現在の世界情勢を鑑み、港への一般人立ち入りを堅く禁止している。 以前は船の接岸する岸壁まで行く事が出来、間近に船を見られたというのに誠に残念な事である。その立ち入り禁止の場所で以前見つけた看板を思い出した。 ”耐震供花岸壁 災害時、この岸壁は緊急物資・避難者の輸送に利用されます”と記された看板である。 まことに頼もしいではないか! かならずやって来るといわれる「東海地震」が心配される昨今、この場所から各地へと救援の手がさしのべられるのである。
< text • photo by heboto >